密な状況を生みやすい工場見学は、コロナ禍に突入した2020年初頭から、客足が伸びず「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の発令により、休止または中止せざるを得ない状況になりました。
工場見学は、老若男女を問わず人気で、特に学び盛りの子供からは、机上を離れる開放感と、わくわくする臨場感から、深い関心を寄せることが可能です。
体験学習は、知識として吸収されやすく、学ぶことの楽しさを感じることができるため、子供たちに「非日常の体験」を贈ることができます。
しかしながら、感染症対策によって、今や好奇心を育む場が減少してしまい、勉強に対する高揚感を得にくい環境になっています。
ここからは「安心・安全」を提供しながら、感動体験を叶えることができる「バーチャル工場見学」についてご紹介していきます。
VR空間を活用した工場見学とは?
バーチャル工場見学は、実際に工場を訪れることなく、バーチャル空間で見学することができます。
オンラインを活用した工場見学には「ライブ中継型」と「事前に作成した映像コンテンツ型」があり、導入時にどちらかを選ぶ必要があります。
特に、ライブ中継は、電波障害などの懸念点も多く、工場業務に支障を来たす可能性もあるため、あまり好まれていません。
一方、事前に作成した映像コンテンツを使用する方法は、突然のトラブルを防止できたり、安定した電波状況を保つことができるため、ストレスを軽減することができます。
VR工場見学の事例
ここまでは、バーチャル空間を活用した「工場見学」について、ご紹介してきました。
ここからは、実際にバーチャル工場見学を導入している「企業事例」のご紹介を行います。
鍋店【酒蔵見学】
画像出典:酒蔵見学/鍋店 株式会社
鍋店のバーチャル酒蔵見学は、オンラインショップと連携されており、見学中にバーチャル店舗で商品を購入することができます。
バーチャル店舗:鍋店酒造
ネット販売は、見栄えの良い商品が売れやすい傾向であるため、オンラインに不向きな産業の場合、商品価値(味の勝負)をうまく伝えられない問題が発生します。
そこで、製造工程を後悔することで、商品に込められた「想い」や「安心感」を視覚的に訴えることができるため、価格に対する説得力も消費者に伝えることができます。
バーチャル工場・店舗からのショッピングカート連携など、新たな買い物体験も実現。
Welcomist VR
アサヒスーパードライ【VR工場見学】
画像出典:アサヒスーパードライVR工場見学/Asahi Park
アサヒスーパードライのVR工場見学は、YouTubeからの見学となっており、専属ガイドによって自動再生されるため、機械操作が苦手な方も見学しやすい環境です。
しかし、自由に歩いて見学することができないため、自由を求めている方には、ストレスを抱かれる可能性があります。
SLCみらい【バーチャル物流倉庫見学】
画像出典:バーチャル(VR)物流倉庫見学/EC通販・物流代行トータル支援【スクロール360】
SLCみらいのセンター見学は、自由に回遊するタイプではなく、矢印をタップすることで移動できます。
高画質ではないため、ズームすると画質が荒くなる点や、チャットツールが導入されていないため、不明点などは「お問い合わせ」より問い合わせる必要があります。
日の丸醸造【バーチャル酒蔵見学】
画像出典:バーチャル酒蔵見学/秋田の地酒「まんさくの花」 日の丸醸造株式会社
日の丸醸造のバーチャル酒蔵見学は、自動再生と手動操作のウォークスルー閲覧を取り入れており、高齢者など機械操作が苦手な人も、見学しやすい環境になっています。
本来、衛生的な観点から酒蔵見学は行っていませんでしたが、4K画質で撮影できるMatterportカメラを活用することで、酒蔵内を高画質で忠実に再現することが可能です。
しかしながら、コミュニケーションツールを活用していないため、疑問点はその場で聞くことができず、説明の補足として動画リンクより、実際の仕込み映像などを見ることができます。
VR工場見学のメリット
バーチャル工場見学は、コロナ禍に入ってから普及されたため、メリットやデメリットについて、理解できていない部分も多く、導入に躊躇している企業も少なくありません。
ここからは、バーチャル工場見学における「メリット」について、ご紹介していきます。
効果的なPR活動の促進
バーチャル工場見学では、安全面や衛生上の都合により、実際に見せることができない作業内容も、見せることができるので、自社の魅力を最大限にPRすることができます。
また、一度コンテンツとしてURLを発行してしまえば、何度でも自由に見ていただくことが可能です。
SNS時代において、バーチャルの活用を工場見学だけにとどめず、自社(社員)の想いを届けるための効果的なPRや、採用活動にも使えます。
さらに、参加者データを取得することができるため、マーケティングツールとしても活用できます。
スケジュール調整が簡単
24時間365日、工場を見学することができるので、混雑によって予約が取れなかったり、遠方のため断念せざるを得ない状況を、回避することができます。
また、新型コロナウイルス感染症など、未曾有の事態が発生した際にも、3密を避けることができます。安心した見学を提供することができるので、社会情勢による「キャンセル」を避けることができます。
さらに、機会損失を防ぐことができるため、安定した経営を実現し、損失などのリスクヘッジを図ることが可能です。
人件費の削減が可能
工場内に見学者を入れる際は、安全面の管理や説明係など「工場見学ツアー」に対する専属スタッフが必要になります。
企業によっては、ツアー担当のスタッフを雇用している場合もありますが、大抵が業務の傍、二足の草鞋を履いて対応しています。
新型コロナウイルス感染症が拡大してから、テレワークが普及したことで、社員の出勤日数は減り、工場見学に割ける従業員も少なくなりました。
さらに、工場見学に対する集客が難しくなったため、VRを導入することにより、テレワーク時にも工場内を案内することができます。
VR工場見学のデメリット
ここまでは、バーチャル工場見学についてのメリットをご紹介してきましたが、ここからは、懸念されやすいデメリットについてご紹介していきます。
臨場感が伝わりにくい
工場独特の緊張感などは、バーチャル空間で伝えることが難しいため、臨場感をそのまま味わうことができません。
そのため、実際の工場見学でしか味わえない「温度」や「香り」を体感したい方には、不向きなサービスとなります。
しかしながら、VRを活用した工場見学の場合、安全面などを考慮する必要がないので「立ち入り禁止ゾーン」の先を見せることができます。
バーチャル工場見学の醍醐味は、通常の見学では入れない場所にも入ることができる点であり、最大のアピールポイントにもなります。
高齢者層の参加が難しい
3G回線の終了が発表されたことで、ガラケー(フィーチャーフォン)が使えなくなるため、社会全体でスマートフォンの普及率が上がっています。
今や、スマホの保有率は90%以上になり「スマートフォン社会」になっていますが、高齢者層の保有率は停滞しています。
高齢者は、スマホの使用方法がわからない等の理由から、スマホに対して拒絶反応を起こし、新しいスタイルに置いていかれがちです。
工場見学は、課外学習に取り入れられているため、子供たちの参加が多いように見えますが、高齢者の旅行ツアーなどにも組み込まれており、人気のスポットとなっています。
VRを活用した工場見学は、操作が難しいというイメージから、参加を断念する方も多く、高齢者層の集客が難しい状況です。
そこで、操作を必要とせず、自動再生ができるなど、高齢者向けのシステム開発を行うことで、参加に対するハードルを下げることができます。
参加者とのコミュニケーション不足
実際の工場見学では、疑問点が生じた際、その場で質問することができますが、バーチャル空間では、チャット機能や質疑応答のサービスが備わっていないと困難です。
VRを活用した工場見学を行なっている企業の多くは、リアルタイムに会話ができる「チャットボット」を導入しています。
企業側は、参加者とのコミュニケーションが途絶えぬように、顧客満足度の向上に向けて、様々な努力を行っています。
チャットボットには、AIによる自動回答だけではなく、有人チャットもあるため、AIと有人を使い分けることにより、顧客満足度の低下を防ぐことができます。
まとめ
バーチャル工場見学を導入することにより、社会情勢に左右されることなく、年中無休で工場内を見学をすることができます。
また、足を運べない見学希望者が参加しやすくなったり、自社商品に興味を持っている「潜在顧客」へのPRツールとしても活用可能です。
随時、トライアルやオンライン商談を行っているので、導入をご検討されている際には、是非、デモンストレーションをお試しください。
ご不明点・ご相談ごとについても、オンラインにて受け付けておりますので、下記よりご予約ください。
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