EC運営を始めるにあたって、ECサイトをShopify(ショッピファイ)で作るかWordPress(ワードプレス)で作るか、迷っている方は多いのではないでしょうか。
どちらも魅力的なツールとなっており、それぞれに異なるメリットを持っています。
そこで、本記事では、ShopifyとWordPressの違いを7つのポイントで比較していきます。
自社のEC運営にとって、どちらが最適なツールなのかを見極めるために、参考にしていただけたら幸いです。
ShopifyとWordPressの違い
ShopifyとWordPressは、どちらもECサイトを作成することができるツールです。
ここでは、ShopifyとWordPressにどのような違いがあるのかを、簡単に解説していきます。
Shopifyとは
Shopifyとは、カナダ発のECサイト作成ツールです。世界175ヵ国で利用され、170万以上のECサイトがShopifyによって作られています。
日本には、2017年に上陸し、国内人気も堅調に高まっています。
Shopifyの特徴は、月額わずか25ドル(約3,500円)から利用でき、ECサイトの作成・運営に必要な機能が全て揃っていることです。※1ドル=140円で計算
Shopifyを利用するだけで、個人でも法人でも、誰もが簡単にECサイトを作成・運営できるようになります。
また、Shopifyには国際的なECサイト(越境EC)に対応する機能も備わっており、日本だけでなく世界に向けた商品販売も実現できるツールとなっています。
WordPressとは
WordPressとは、CMS(コンテンツ管理システム)と呼ばれるWebサイト作成ツールです。
WordPressも世界中で利用されており、世界のWebサイトの40%以上はWordPressで作られていると言われています。
WordPressの特徴は、無料でも商用利用可能なライセンス形態を持っていることです。
WebサーバーにWordPressをインストールするだけで、Webサイトを作成・運営する基盤を整えることができます。
また、WordPressを使ってECサイトを作成・運営することもでき、HTML/CSSを駆使すれば自由度の高いデザインを実現できるのがメリットの1つです。
ShopifyとWordPressを7つのポイントで比較
ShopifyとWordPressがどのようなツールなのかを知ったところで、さらに7つのポイントで比較していきます。
ポイント1:月々の費用
まずは、ShopifyとWordPressでECサイトを作成・運営するにあたって、それぞれにかかる費用項目を整理してみましょう。
ECサイト運営のための人件費は、計算に入れないものとします。
<Shopifyの費用項目>
・プランに応じた月額費用
・ドメインの取得・維持費用
・テーマ・アプリの購入費用
<WordPressの費用項目>
・レンタルサーバーの月額費用
・ドメインの取得・維持費用
・テーマ・プラグインの購入費用
それぞれの費用項目に大きな違いはありません。Shopifyは、プラン料金にレンタルサーバー費用が含まれていると考えてください。
ちなみに、Shopifyでは3つのプランが提供されており、それぞれ次のような料金となっています。
画像出典:Shopify
一方、WordPressのレンタルサーバー費用は、参考までにConoHa WINGの月額費用をご紹介します。
画像出典:ConoHa WING
ConoHa WINGの月額費用は、安いもので1,320円です。Shopifyよりも低コストですが、Shopifyはいずれのプランも容量無制限となっており、ECサイトを作成・運営するための機能が予め備わっています。
そのため、表面上のコストだけでは一概に比較できないことが多いため、他6つの比較ポイントも合わせて確認することが大切です。
ポイント2:使いやすさ
ECサイトとしての使いやすさや作りやすさを比較すると、Shopifyに軍配が上がります。
というのも、ShopifyはそもそもECサイトの作成・運営に特化したツールであるため、必要な機能が全て揃っており、なおかつプログラミング知識不要でECサイトを作れるからです。
一方、WordPressそのものを導入することに苦労はありませんが、ECサイトを作成・運営するとなると、専門的な知識を求められるケースが多々発生します。
ショッピングカートや決済方法の導入なども、全て独自に行わなければいけないため、使いやすさの面でもShopifyに劣ってしまいます。
ポイント3:カスタマイズ
ECサイトのカスタマイズ性に関しては、ShopifyもWordPressも同等だと言えます。
どちらも豊富なテーマやアプリ(プラグイン)を提供しているため、デザイン変更や機能追加などを、比較的簡単に行うことができます。
また、ShopifyもWordPressも、HTML/CSSを編集したり、プログラミングを用いることで気重度の高いデザインや機能を実装できます。
ポイント4:解析機能
「ECサイトを解析する」という面で比較すれば、Shopifyの方が優れた解析機能を有しています。
ECサイトの売上データはもちろん、セッション時間やリピーター率、平均顧客単価など、EC運営に欠かせないデータがいつでも閲覧可能です。
画像出典:ネットショップのデータ分析がここまでできる!? Shopifyのストア分析とレポートを使いこなそう|Shopify
WordPressの場合は、Googleアナリティクスなどの解析ツールを連携する必要があります。
Googleアナリティクス自体は、素晴らしい解析ツールですが、ECサイト向きではないため、必要なデータを集めるのに少し時間がかかってしまうのが難点です。
ポイント5:サポート
Shopifyでは、EC運営者に対して、万全のサポート体制を整えています。Shopifyは、そもそもサービスとして提供されているため、当然といえば当然です。
一方、WordPressは無償で提供されているツールなので、サポートは提供されていません。
Shopifyのようなサポートを受けたい場合は、EC運営を助けてくれるパートナー企業を見つける必要があります。
ポイント6:セキュリティ
Shopifyでは、クレジットカードセキュリティの世界基準であるPCI DSSに準拠し、高いセキュリティ体制を整えています。
そのため、Shopifyを利用すると特別なセキュリティ対策を実施しなくても、様々な脅威からECサイトを保護できます。
WordPressは無償ツールなので、セキュリティ体制は整っていません。
また、WordPress自体に脆弱性(セキュリティ上の欠点)が隠れていることがあり、定期的に配信されるアップデートに都度対応しないと、セキュリティリスクを有したままになってしまうので注意が必要です。
ポイント7:マーケティング
Shopifyには、「ブログ」と「SEO(検索エンジン最適化)」のマーケティング機能が備わっています。
ただし、Shopifyで使えるSEO機能は限られた設定しかできないため、WordPressに比べると、マーケティング機能は弱いと言わざるを得ません。
WordPressには、SEOに特化したテーマが豊富に揃っており、SEOを強化するためのプラグインも豊富です。
「検索エンジンから集客する」ということに関しては、WordPressの方が最適です。
したがって、ECサイトの作成・運営はShopifyで行い、ブログを使ったマーケティングはWordPressで行うというのが理想的な形だと言えます。
ShopifyとWordPressの比較表
ShopifyとWordPressの違いをさらにわかりやすくするために、比較表をご用意しました。
参考にしてみてください。
WordPress上でShopifyを使う方法
実は、WordPress上でShopifyを使う方法があります。
この方法は、ECサイトの作成・運営をShopifyで行いながら、WordPressを使ってブログマーケティングを実施したいという方向けの方法です。
それは、Shopifyの公式ブログでも紹介されているように、「Simple」というWordPressの無料テーマを適用するという方法となります。
Simpleテーマには、「Shopify Buy Button」というプラグインを導入することができ、WordPressで作ったブログとShopifyのカート機能を連携できるようになります。
あるいは、「Shopify Ecommerce Plugin」というShopifyの公式プラグインをWordPressに導入し、カート機能を連携することもできます。
既にデザインが作り込まれたテーマを使用している場合は、Shopify Ecommerce Pluginでカート機能だけを追加してみてください。
まとめ
本記事では、ShopifyとWordPressの違いを7つのポイントで比較しました。
ECサイトを作成・運営するとなると、やはりShopifyの方が圧倒的に便利であり、トータルコストも安く済みます。
ただし、マーケティング機能は弱い部分があるため、ブログマーケティングを実施したい方はWordPressを補完的に導入してみましょう。
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