
JLPTについて
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JLPT(日本語能力試験)は、非ネイティブスピーカー向けの日本語能力を評価・認定する標準化試験で、毎年7月と12月の最初の週末に実施されます。
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5つのレベル(N1からN5)があり、N1が最も難しく、N5が最も簡単です。各レベルは読解、聴解、語彙、文法をテストします。
試験の概要
試験形式
勉強のヒント
調査ノート
試験の目的とレベル
N1 | 論理的複雑さや抽象的なトピック(例:新聞の社説、批評)の文章を読み、構造・内容・筆者の意図を理解する。 | 自然な速度の会話、ニュース、講義を理解し、アイデアや詳細、関係性、論理構造を把握する。 |
N2 | さまざまなトピック(例:記事、解説、簡単な批評)の明確な資料を読み、内容や筆者の意図を理解する。 | 日常状況でのほぼ自然な速度の会話やニュースを理解し、アイデアや関係性、要点を把握する。 |
N3 | 日常的なトピックの資料を読み、概要情報(例:新聞の見出し)を把握し、若干難しい文章の要点を補助的に理解する。 | 日常状況でのほぼ自然な速度の会話内容を理解し、関係性を把握する。 |
N4 | 基本的な語彙と漢字を使った日常的なトピックの文章を読み、理解する。 | ゆっくり話される日常会話の内容を理解し、概ね内容を追う。 |
N5 | ひらがな、カタカナ、基本的な漢字を使った典型的な表現や文を読み、理解する。 | ゆっくり話される日常生活や教室での短い会話を理解し、必要な情報を得る。 |
JLPTの活用方法
JLPT(日本語能力試験)は、日本語能力を公式に証明できる資格として、日本国内外で幅広く活用されています。ここでは、日本国内と海外における活用例をご紹介します。
■ 日本国内での活用
日本で就職する際、企業が外国人採用時に応募者の日本語力を評価する基準としてJLPTを利用するケースが数多く見られます。特にビジネス職ではN2以上を応募要件とする企業が多く、最高レベルのN1合格者を求める企業も珍しくありません。
また、外国人留学生の大学入試や日本の大学院進学でもJLPT資格が活用されることがあります。日本留学試験(EJU)が主流ではあるものの、大学によっては出願条件として「JLPT○級以上の合格」を求めたり、語学要件の証明としてJLPT合格証を認める場合があります。
さらに、日本の在留資格(ビザ)申請においてもJLPTは有利に働きます。代表的な例として、高度人材ポイント制ではJLPTのN1またはN2合格者に加算ポイント15点が付与されるため、永住許可や高度専門職ビザの取得要件で優位になるのです。こうした理由から、JLPT合格はキャリア構築や長期滞在を希望する外国人にとって大きなメリットとなっています。
■ 海外での活用
日本国外においてもJLPTの認知度は高く、多くの学習者が日本語学習の目標や能力評価の基準として活用しています。たとえば、海外の日本企業の現地法人や日系企業では、社員の日本語研修や採用時の語学力評価にJLPTを取り入れる事例があり、取得級によって昇進や採用を判断する場合もあります。
また、海外の日本語教育機関でも学習者の到達度を測る目的でJLPTが利用されているほか、大学の日本語学科では「卒業までにN2合格」を目標に掲げる例も珍しくありません。さらにJLPT合格証は国際的に通用する資格のため、就職や留学の際に自分の語学力を証明する手段として活用されることが多くあります。
国や地域によって評価方法に差はあるものの、とりわけN1合格は「高度な日本語運用能力を持つ」ことの指標として、ビジネスや学術の場でも高く評価されています。