2021年度の大学志願者数は、全国平均で前年度から13.3%減少したことが、内閣府の発表で明らかになりました。
コロナ禍になってから、学費を払えずに困窮している大学生が増えたことや、家計が急変したことで大学への入学を諦める学生が増えています。
地方の若者は、都心部に関心や憧れを抱いていたり、就職を見据えて上京していましたが、オンライン化が加速したことで、学生の価値観は変わり、地元思考が高まったと言われています。
ここからは、令和の学生が求める「バーチャルキャンパスツアー」について、詳しく解説していきます。
VRを活用したオープンキャンパスとは?
国民は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年初頭から県を跨ぐ移動を控えるようになりました。
そのため、大学側はオープンキャンパスを中止にしたり、地方の学生は感染への不安から、参加を見送らなければならなくなりました。
そこで、物理的な移動を伴わず、擬似的に大学を見学することのできる「バーチャルキャンパスツアー」が急増しました。
大学について知りたい学生に対し、大学を紹介したい広報側は、VRを最大限に活用することで、感染リスクを回避しながら、学内を紹介できるようになります。
VRオープンキャンパスのメリット
バーチャルキャンパスツアーは、コロナ禍になってから普及したため、学生や広報側にとって、どのようなメリットがあるのか、理解されていない部分が数多く存在します。
ここからは、広報担当者が知っておきたい、バーチャルキャンパスツアーにおける「メリット」について、ご紹介していきます。
遠方の学生も参加しやすい
バーチャルキャンパスツアーは、物理的な移動が不要になるため、感染リスクに対する不安や、社会情勢に左右されることがありません。
また、これまで地方の学生を悩ませていた、オープンキャンパス参加への交通費問題を解決することが可能になります。
1日に複数校へ参加が可能
バーチャル空間での見学になるので、他のオープンキャンパスや学校行事との「日程被り」に対する悩みを払拭することができます。
今まで学生が悩んでいた「諦めなければならない状況」を回避しながら、1日に複数校のキャンパスツアーに参加できるので、効率性は上がり、他大学との比較がしやすくなります。
時間を問わない
大学を比較する際、オープンキャンパスで知り得た情報を思い出せない時や、更に詳しく学内を見たい時に、VRを活用することによって、手軽に見返すことができます。
大学側も学生の行動データを「取得」「分析」することができるので、相互理解を深めることができます。
また、部活動で忙しい1・2年生も参加しやすい環境になるため、時間をかけて志望校を選ぶことができます。
強化部でオープンキャンパスに参加しにくい学生も、バーチャルキャンパスツアーに参加することで、周りとの差を感じずに、将来と向き合うことが可能です。
VRオープンキャンパスのデメリット
バーチャルキャンパスツアーは、オンラインだからこそのメリットがある一方で、参加する学生にとってはデメリットも生じてきます。
ここからは、広報担当者が知っておきたい、バーチャルキャンパスツアーにおける「デメリット」について、ご紹介していきます。
人間関係が見えない
大学の施設などに関しては、バーチャルキャンパスツアーから見て感じ取ることができますが、学生同士のコミュニケーション(人間関係)においては、VR空間上で見ることができません。
しかし、実際のキャンパスツアーと同様に、バーチャルキャンパスツアー内で質疑応答のコーナーを設けることによって、在籍している学生と触れ合うことができます。
在学生とのコミュニケーションは、人間関係を体感することができるため、校風を直に感じることができます。
学食を食べることができない
キャンパスライフの楽しみでもある学食は、学生にとって重要ポイントであることから、キャンパスツアーに『昼食』が組み込まれやすいです。
しかしながら、VRを活用したバーチャルツアーでは、実食ができないため、雰囲気を感じ取れず、盛り上がりに欠けてしまうことがあります。
そこで、バーチャルキャンパスツアー時に、学食メニューを紹介するコーナーを設けることで、ワクワク感を得られる環境を作ることができます。
学食のPRに対しては、創意工夫を求められる機会が多いことから、大学の特色を感じやすく、志望校選びのポイントにもなります。
アクセス情報の欠落
バーチャルキャンパスツアーは、移動を伴わないことから、自宅から大学へのアクセス方法や、最寄駅から大学までの距離感が掴みにくく、周辺環境を知ることが難しい状況です。
しかし、Googleストリートビューを活用することで、実際に歩いているような感覚で、アクセス方法を確認することができます。
VRオープンキャンパスを充実させる技術
VRを活用したオープンキャンパスは、技術的な部分によって充実感が異なります。ここからは、バーチャルキャンパスツアーを、実りあるものにするための技術について、ご紹介していきます。
AIチャットボット
AIチャットボットは、抱えているお悩みに対して、24時間365日回答することができるので、忙しい学生にとっては、救世主のような存在になります。
また、AI(自動)対応のみならず、有人対応への切り替えも可能にすることで、在学生と直接コミュニケーションをとることができます。
AIチャットボットには、多言語機能を備えたものもあるので、言語への障壁を感じずに、多国籍・多文化学生からのお悩みに対しても回答することが可能です。
日本語に対する不安から、オープンキャンパスへの参加を諦めていた学生も参加しやすくなるため、国際社会が求めているグローバルな人材を育成できます。
自動翻訳
バーチャルキャンパスツアーで生じた疑問に対して、AIチャットボットが回答するには不十分な場合、回答時に内部リンクを貼り付けることがあります。
しかし、リンク先に「Webサイト翻訳機能」が備わっていないと、回答をしっかり理解できずに終わってしまいます。
翻訳機能の導入は、オープンキャンパスのみならず、留学を希望している外国人の方々や、在学中の外国人留学生に対しても、日本人学生と同様の情報を届けることができます。
例えば、大学のホームページに、多言語翻訳機能が導入されていると、新型コロナウイルス感染症など、未曾有の事態に直面した際、学生の不安を軽減することができます。
「理解できない=読めない」を一つでも多く軽減することで、安心したスクールライフを提供することができます。
Matterport
ウォークスルー閲覧が可能であることから、自由にキャンパスを見学できるので、ストレスを最小限に抑えることができます。実際のキャンパスツアーよりも、時間をかけて細かな部分まで見学できるのは、Matterportの醍醐味とも言えます。
VRオープンキャンパスを導入している大学
新型コロナウイルス感染症によって、今までのオープンキャンパスの価値観は変わり、オンラインの利便性を活用した「バーチャルキャンパスツアー」が普及しました。
ここからは、バーチャルキャンパスツアーを開催している大学について、ご紹介していきます。
東京大学
画像出典:バーチャル東大/トップページ
「バーチャル東大」は、東京大学のVRサークル「UT-virtual」に在籍している部員から、有志を募り制作されました。
「遊び方」と題されている通り、ゲームをプレイしているような感覚で、東大の顔と呼ばれている「赤門」や「正門」をはじめ、主要6箇所をバーチャルで紹介しています。
しかしながら「バーチャル東大」は、ゲーム操作などに慣れ親しんでいない場合、操作に梃子摺る可能性があります。
また、自由に回遊することができないので、実際のオープンキャンパスと同様レベルを求めている学生にとっては、ストレスを感じてしまうかもしれません。
東京工科大学
画像出典:東京工科大学受験生情報サイト バーチャルオープンキャンパス/工科大ナビ
東京工科大学の「バーチャルキャンパス見学」は、Matterportを活用してキャンパス内を紹介しています。
Matterportを活用することによって、実際に歩いているような感覚で、自由にキャンパス内を見学することができるので、ストレスを最小限に抑えることができます。
エレベーターホールや各スポットに到着すると、大学公式キャラクター「こうかとん」が、簡単な案内をしてくれます。
しかし、チャットのようなコミュニケーションを図ることができないため、その場で生まれた疑問点を解決することができません。
早稲田大学
画像出典:早稲田大学VRキャンパスツアー
早稲田大学の「早稲田大学VRツアー」は、VRスポットを設置しており、各スポットに到着すると音声案内が開始されます。
VRツアーでは、現在地を360度見渡すことはできますが、自由に進むことができないため、見たい場所が見れないことに、ストレスを感じてしまう可能性があります。
VRツアーで不足している情報については、関連サイトやギャラリー・概要表示などが、画面右下に表示されているので、必要に応じて情報を見ることができます。
しかし、疑問点を解決するためのコーナーが設けられていないことから、個別に疑問が生じた際は、ホームページなどにアクセスして解決する必要があります。
まとめ
VRを活用した、バーチャルキャンパスツアーを導入することで、遠方の学生や部活動などで時間がない学生に対しても、オープンキャンパスへの参加ハードルを下げることができます。
さらに、利便性を高めるVR機能は、キャンパスの魅力を最大化し、幅広い学生へのアプローチを実現します。
例えば、豊田工業大学では、Matterportに触れたことがない学生でも、機能をフル活用できるように、説明専用のページを設けています。
画像出典:豊田工業大学/VRキャンパスへようこそ
緻密な3Dモデルで構築された「空間移動」は、Matterportの大切な機能となり、見応えのあるバーチャルキャンパスツアーを実現します。
さらに「Mattertag」と呼ばれている、丸ポイントを活用することで、VR空間内へ説明が必要な際、テキストやURLを埋め込むことができます。
画像出典:豊田工業大学/VRキャンパスへようこそ
「Welcomist VR」は、Matterportに直接チャットボットを組み込んでいることから、疑問点が生じた際には、その場でAIまたは人が個別で対応し、早期に解決することができます。
キャンパス内を歩いているような感覚で、見学することができるため、ストレスを感じにくい環境となり、入学志望度を下げにくくすることが可能です。
【日出学園中学校・高等学校が導入している「Welcomist VR」】
画像出典:日出学園中学校・高等学校 バーチャル学校紹介
日出学園中学校・高等学校では、当社の「Welcomist VR」を導入いただき、学校紹介を目的としたPR活動のみならず、プログラミング教育の一環として、バーチャルツアーに組み込んでいるAIチャットボットの運用(質問内容とその回答)を、生徒が主体的に行っています。
シナリオ構築を含む情報技術に触れることで、論理的なプログラミング思考を育むことにも繋がり、AIチャットボットの制作過程で、学校の魅力や特徴について再認識することができます。
随時、トライアルやオンライン商談を行っているため、導入をご検討されている際には、是非、デモンストレーションをお試しください。
ご不明点やご相談などの商談については、オンラインにて受け付けておりますので、下記よりご予約ください。
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