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2022年4月1日

中学校のプログラミング教育の今〜必修化後の実践事例も解説〜


2021年度より、全国の中学校では新学習指導要領が全面実施となり、プログラミング教育が必修化となりました。

技術・家庭科の技術分野で4つの内容“(A)材料と加工の技術・(B)生物育成の技術・(C)エネルギー変換の技術・(D)情報の技術”に分けて学習をしています。

現代の子供たちは、様々な技術に囲まれており、技術を盲目的に信用し、楽しく使うだけでなく、技術を上手に活用することによって社会課題をどう解決していくかという姿勢を養う目的で、新たな学習指導要領のもと、プログラミング教育が進められています。

ここからは、中学校におけるプログラミング教育について解説していきます。

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2021年度に全面実施された中学校でのプログラミング教育とは

全国の中学校では、2021年度より新学習指導要領が全面実施となり、プログラミングに関する教育内容も全面実施となりました。

この「全面実施」とは、中学校卒業時までに新学習指導要領の内容を全て学ぶという意味になります。

従来よりも、中学校で学ぶ量も増え、2021年度に中学2年生・3年生に進級した生徒に関しては、卒業までの期間が中学1年生よりも短いので、指導をする学校側としても、しっかりとしたスケジューリングで進めていくことが必要となります。

文部科学省からも、今後の学習指導要領改訂に関するスケジュールが公表されています。


画像出典:新学習指導要領につい(文部科学省)

教育内容も従来のものと比べると、技術面や思考において、高いものを求める内容が重視されています。

例えば、ソフトウェアを使用し学ぶことの多かった「ディジタル作品の設計と製作」の項目が、「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」へ変更になっていたり、今求められる力を養える内容となっています。

また、授業の進め方も、ソフトウェアを使ってウェブサイトのページ作成や基本的なプログラミング学習といった、教員が使い方を教えるというものから、生徒が主体となり実践的な授業への切り替えが多く見られます。

中学校におけるプログラミング教育の内容〜情報の技術〜

中学校では、プログラミング的思考・IT知識をより深めるために、問題を見つけ、その課題解決をするという力を育てます。この授業は、「技術・家庭科」の技術の部分にあります。

技術の部分は、材料と加工の技術・生物育成の技術・エネルギー変換の技術・情報の技術の4つに分かれており、この中の「情報の技術」でプログラミング教育がおこなわれます。

以下、情報の技術についての内容です。

生活や社会を支える情報の技術について調べる

社会や私たちの生活を支えていている情報技術についてを調べる過程で、情報の表現・記録・計算・通信の特性など、その原理や法則、情報のデジタル化と処理の自動化・システム化・情報セキュリティに関する基礎的な技術の仕組み、情報モラルの必要性を理解しつつ、その技術に込められた課題解決への工夫についても考えます

生活や社会における問題を双方向性のあるコンテンツのプログラミングによって解決

社会や私たちの生活における問題を、ネットワークを活用し、プログラミングにて双方向性のあるコンテンツを作り、解決を図る過程で、情報通信ネットワークの構成と、その情報利用をする為の基本的仕組みを理解しながら、安全で適切なプログラム制作ができる力をつけます。

また、ただ作業をするのではなく、問題を自ら見つけ、使用するメディアの複合方法や効果的な利用方法など、しっかりと構想をしながら情報処理の手順を具体化できる力を育てます。

生活や社会における問題を,計測・制御のプログラミングによって解決

社会や私たちの生活における問題を、計測や制御のプログラミングで解決へ導く工程の中で、計測や制御システムの仕組みを理解し、安全で適切なプログラムの制作と動作の確認及びデバッグ等ができる力を育てます。

また、その作業の中で課題を設定し、入出力されるデータの流れを見て、計測や制御システムを構想し、情報処理の手順を具体化できる能力を身に着けます。

これからの社会の発展と情報の技術の在り方を考える

今後の社会の発展を見据えて、私たちの生活や社会・環境との関りを考えながら、情報技術の概念を理解し、新しい発想を持ちながらも、適切な選択・管理・運用の在り方を考えます

中学校でのプログラミング教育の実践事例

文部科学省が公表をしている「中学校技術・家庭科(技術分野)におけるプログラミング教育実践事例集」では、中学校でのプログラミング教育の実践事例がいくつか掲載されています。

ここでは、3つご紹介します。

顧客のニーズに合った無人コンビニプログラムを作ろう

情報通信ネットワークを活用し、コンビニのPOSシステムという身近なシステムの働きを疑似体験します。

この実践事例の特徴は、無人店舗を想定し、制約条件とニーズを明確にし、システムに込められた問題解決の工夫に気づきやすくしています。

実践の際には、POSシステムを模した教材を使い、買い物体験・データ分析体験を行います。そこから得た情報をもとに、年代や性別を加味し、ユーザーに適したお勧め商品を提案する簡単なプログラムを作成します。

生徒自身がシステム開発者の目線に立ち、レジの無人化という課題を解決することで、技術の見方や考え方について学んでいます

自動チャットプログラムで身の回りの問題を解決しよう

自動チャットプログラムを活用し、学校や社会の問題を解決する取り組みです。

コンビニのPOSシステムを例に、その既存の技術を理解するとともに、自分たちの学校の問題を設定し、グループで専用のテキスト型プログラミング言語を使用し、ユーザーとのやり取りができる自動チャットボットシステムを制作します。

その際、データベースに記録された、ユーザー評価・検索等の履歴を参考に、プログラムの修正をしたり、グループ内で相互評価をしながら、改善に取り組みます。

この一連の流れから、社会の中でのチャットボット活用のアイディアを考え、IT企業の方々からの意見をもらい、情報技術の工夫を創造する実践的な態度の育成をおこなっています。

世の中にちょっと役立つロボットを製作しよう!お掃除の巻

技術・家庭科の技術分野の「エネルギー変換の技術」で学習をしたことをもとに、「世の中にちょっと役立つロボット」を題材の問題として、自動制御ロボットの開発を通して、生徒が問題を見つけ、グループで計測・制御のプログラミングを行い、問題解決をします。

例えば、お掃除ロボットを製作する場合、吸い込み口の形状やスイッチの取り付け位置など、情報の技術以外の学びも融合しながら、グループにて設計・製作・プログラム・広報という役割を分担しながら、自分の担当以外にも関わりつつ「協働学習」と技術開発の疑似体験ができる工夫をしています。

まとめ

近年、私たちの身の回りのものは、IT機器が多く使われるようになり、以前よりも豊かで便利な生活ができています。今後も、IT技術の発展により、社会のIT化は進んでいくと思われます。

現代の子供たちが、そのような社会で生きていくために、ITによって社会が豊かになっている仕組みを知ることは重要です。

プログラミングは、その仕組みとなるものであり、学習をすることで、自ら考え、行動にうつす力が養われます。子供のうちからプログラミング教育を施すことで、活用の場を増やせると期待されています。

当社では、学校でのプログラミング教育をサポートするため、ICTを活用した「教育プログラムの提供」を開始しました。

日出学園中学校・高等学校では、当社の「Welcomist VR」を導入いただき、学校紹介を目的としたPR活動のみならず、プログラミング教育の一環として、バーチャルツアーに組み込んでいるAIチャットボットの運用(質問内容とその回答)を、生徒主体で行っています。

生徒目線だからこそ生まれる「質問と回答」は、学校説明会では聞きにくい受験生の「本音」や、教師目線による型に嵌った質問内容ではないので、受験生にとっても有意義な時間を過ごすツールとして活用できます。

また、シナリオ構築を含む情報技術に触れることで、論理的なプログラミング思考を育むことにも繋がり、AIチャットボットの制作過程で、学校の魅力や特徴について再認識することができます。

【日出学園中学校・高等学校が導入している「Welcomist VR」】

画像出典:日出学園中学校・高等学校 バーチャル学校紹介
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