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2022年4月1日

【2022年度開始】高校でのプログラミング教育必修化!教育内容と実践事例を解説


現在、人工知能やIoTなどが急速な発展をとげており、テクノロジーがオンラインと現実の空間を繋いで社会問題を解決し、暮らしやすい社会「Society5.0」の時代が近づいています。

このような時代に備えるべく、子どもたちは、学校教育の中で、情報技術を手段として活用する力を身に付けていく必要があり、文部科学省は、新学習指導要領の中に情報教育の充実として、小学校では2020年度、中学校では2021年度、そして高校では2022年度からプログラミング教育を必修化にしました。

ここからは、高校におけるプログラミング教育について解説していきます。


高校におけるプログラミング教育の狙い

高校でのプログラミング教育については、1970年代より学習指導要領に記載されていましたが、必修ではなかった為、積極的に取り上げられることはありませんでした。

しかし、今後、社会のICT化やグローバル化の進展により、現在より多様な事象がおこり、社会や私たちの生活を大きく変えていくと予測され、文部科学省としても、このような状況を踏まえて、2022年度より高校でも「情報活用能力」を身に着けるべく、共通必履修科目として「情報I」を新設しました。

「情報I」では、プログラミング・モデル化とシミュレーション・ネットワークとデータベースの基礎やコンテンツ制作など、情報モラルを身に付け、情報化社会との関わりについて考えさせる狙いがあります。

高校におけるプログラミング教育内容~「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」について~

高校でのプログラミング教育必修化は、2022年度に施行された「新学習指導要領」に基づくもので、「情報I」が共通必履修科目として新設されました。また、「情報Ⅱ」に関しては、選択科目となっており、全員が受ける必要がない教科となっています。

ここからは、「情報I」と「情報Ⅱ」の教育内容について詳しく解説していきます。

「情報I」の教育内容

「情報I」では、4つの項目に分かれて学習をしていきます。

情報社会の問題解決

情報・メディアの特性を踏まえつつ、化学的な見方と考え方を働かせながら、情報技術を活用し、問題を見出して解決をします。

このような学習活動を通して、情報技術が人や社会へ与える影響や役割、情報モラルなどを理解し、適切で効果的な情報社会の構築に寄与する力を育てます。

コミュニケーションと情報デザイン

目的や状況を判断し、情報の科学的な見方と考え方を働かせ、受け手に分かりやすい効果的なコミュニケーションがとれる情報デザインの考え方・方法を理解して、コンテンツ表現と評価を改善する力を養います。

コンピュータとプログラミング

問題解決にあたって、コンピュータや外部装置を使用して、情報の科学的な見方や考え方を働かせます。

コンピュータの仕組みやコンピュータでの内部表現、計算に関する限界を理解しながら、アルゴリズムを表現したプログラミングでコンピュータや情報通信ネットワーク機能を使用する方法や技術を身に付け、モデル化やシュミレーションなど、コンピュータの能力を引き出す力を養います。

情報通信ネットワークとデータの活用

情報通信ネットワーク・情報システムから提供されるサービスを活用し、情報の科学的な見方や考え方を働かせます。

また、情報通信ネットワーク・情報システムの仕組みを理解し、データ蓄積・管理・提供方法、データ収集、整理、分析、情報セキュリティ確保の方法など、目的に応じて、安全かつ効率的な活用と、問題発見をし解決する為に活用する力を養います。

「情報Ⅱ」の教育内容

「情報Ⅱ」では、5つの項目に分かれて学習していきます。

情報社会の進展と情報技術

情報技術の発展の歴史をもとに、情報セキュリティ・情報に関する法規や制度の変化を含む、情報社会の進展によるコミュニケーションの多様化、人の知的活動への影響を理解し、コンテンツの創造・活用、情報システムの創造・データ活用の意義について考える力を養います。

「情報Ⅰ」で学んだ各項目を振り返りながら、「情報Ⅱ」での学びに繋げ、知識の解説だけでなく、生徒同士でのディスカッションも行いながら、理解を深めます。

コミュニケーションとコンテンツ

適切なコミュニケーションを行うため、目的・状況に応じたコンテンツ制作と、学習活動を通して情報の科学的な見方と考え方を働かせます。

多様なメディアを組み合わせたコンテンツ制作方法や、どのようにコンテンツを発信するかを理解しながら、必要となる技能を習得し、情報デザインに配慮したコンテンツ制作と評価、改善する力を養います。

「情報Ⅰ」で学んだ、「コミュニケーションと情報デザイン」をもとに、メディアの特性・コミュニケーション手段の特徴・情報デザインの考え方を活かし、さらに理解を深めます。

情報とデータサイエンス

情報科学の見方や考え方を働かせ、問題を明確にして、分析方針を立てて、社会に出ている様々なデータなどを整理・整形・分析を行います。その結果を考察する中で、データサイエンスに関する様々な知識・技能を活用し、新たな知見が生まれていることを学びます

そして、問題の発見・解決を行うために、データの収集・整理・整形・モデル化・可視化・分析・評価・実行・効果検証など、各過程の方法を理解しながら、データに基づいた科学的な考えで問題解決に取り組む力を養います。

「情報Ⅰ」の「コンピュータとプログラミングの」項目で学んだ、モデル化とプログラミングと、「情報通信ネットワークとデータの活用」の項目で学んだ、データの種類・特性・活用に関する資質と能力を活かし、相互の関連を図ります。

情報システムとプログラミング

情報システムを設計・制作をしたり、実際に稼働している情報システムの調査などを通して、情報の科学的な見方や考え方を働かせます。

その過程の中で、情報システムの仕組み・情報セキュリティ確保の方法・情報システムの設計とプログラミング方法を理解し、情報システムの制作による課題解決や新たな価値を創造する力を養います。

また、「情報Ⅰ」で学んだ「コンピュータとプログラミング」と「情報通信ネットワークとデータの活用」の項目と、「情報Ⅱ」の「情報とデータサイエンス」で身に付けた、資質と能力を伸ばすことも期待しています。

情報と情報技術を活用した問題の発見・解決の探究

教科の目標に沿い、地域・学校の実態や生徒の状況に適した情報技術を活用し、問題発見と解決への探究を通し、情報の科学的な見方や考え方を働かせます。

また、情報や情報技術を正しく効果的に活用する知識と技能の深化・総合化・思考力・判断力・表現力等の向上を図ります

この学習を通して、「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」で身に付けた資質と能力を伸ばし、他の教科とも積極的に関連を図ります。

高校におけるプログラミング教育必修化による大学入試の変化

高校でのプログラミング教育必修化により、大学入学共通テストにも変化が見られます。

文部科学省は、2022年度から導入する高校の新学習指導要領を反映し、2025年以降の、大学入学共通テストの出題教科に「情報」の追加を正式決定しました。

また、気になる出題方法ですが、独立行政法人大学入試センターが「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストに関する検討状況について」で以下のように公表しています。

新教育課程(平成 30 年 3 月告示の高等学校学習指導要領に基づく教育課程)に対応した『情報Ⅰ』とは別に、現行の教育課程(平成 21年 3 月告示の高等学校学習指導要領に基づく教育課程)の「社会と情報」及び「情報の科学」の内容を出題範囲とする経過措置科目『旧情報(仮)』を出題する。

なお,『旧情報(仮)』では、高等学校等において「社会と情報」、「情報の科学」のいずれの科目を履修していても不利益が生じないよう、両科目の共通部分に対応した必答問題に加え、「社会と情報」に対応した問題及び「情報の科学」に対応した問題を出題し、選択解
答させる。

高校におけるプログラミング教育実践事例

高校におけるプログラミング教育では、問題を解決する方法や手順であるアルゴリズムやプログラミングの方法を、実践を交えながら学びます。

ここからは、文部科学省が公表している「高等学校「情報」実践事例集」より、「情報Ⅰ」に関する実践事例を3つご紹介します。

スタンプ制作から情報デザインについて学ぼう

画像編集ソフトウェアなどを使用し、SNS等で使用されているスタンプを制作します。

スタンプ制作ガイドラインや審査ガイドラインに則って、生徒自身が紙ベースで作成したデザインをスマートフォンのカメラ機能を使って取り込み、画像を下書きレイヤーに設定をして制作します。

この実践を通して、効果的なコミュニケーションに最適な情報デザインの考え方・方法を理解して表現する力、評価をし改善する力を養い、情報技術を活かし主体的に参画する態度を養います。

生徒の感想として、「情報デザインの難しさ・面白さに触れることができ、表現力や創造力をより磨きたいと思った。」や、「自分とは異なるアプローチで制作している人を見て、新たな見方や考えが広がった。」など、プロダクト側の立場を経験し、ユーザーの立場では知りえなかった見方や考え方を得ることができたようです。

プログラミングを始めよう

Webブラウザ(Internet Explorer は除く)上で動作するプログラミング学習環境「PyPEN」を使い簡単なシュミレーション後、それを参考に自力でプログラムを作ります。

プログラミング学習の進め方は、文法などの説明→プログラム作成といった流れが指導計画でありますが、この実践例では、まずプログラミングを書く活動をして、書くことを通して文法などを理解します。

シミュレーションのプログラムを作成し、改良をし、その結果について考察しながら、目的に対する解決方法には様々な方法があるという事を理解します。

また、他者のプログラムや思考過程を読み取り、自身のプログラムの改善に繋げる力を養います。

簡単な無線 LAN を構築してみよう

無線LANルータ・スマートフォン・タブレットPCなどを使用し、簡単な無線LANの構築を行います。

その過程で、IPアドレス・DHCPや無線LAN接続する際に使われるSSIDや暗号化方式無線LANルータの役割などの接続の仕組みを理解します。

普段、何気なく使用しているものですが、この学習を通して、安全な利用について考え、LANの特性・セキュリティやトラブル対策について考える力を養成します。

まとめ

高校では、プログラミング言語・ネットワークやデータベースについての知識を学び、高度な知識習得が求められます。

実践を交えながらの学習になるので、普段何気なく使っているものが、どのような仕組みで出来ているのか知ることで、理解を深められるのではないでしょうか。

小学校から高校まで必修化となったプログラミング教育ですが、この学習を通して、プログラミングは「手段」ではなく、自身で課題に気づき、解決に繋げる精神を身に付けるものでもあります。この学びが、子供たちの将来に良い影響になることを期待します。

当社では、学校でのプログラミング教育をサポートするため、ICTを活用した「教育プログラムの提供」を開始しました。

日出学園中学校・高等学校では、当社の「Welcomist VR」を導入いただき、学校紹介を目的としたPR活動のみならず、プログラミング教育の一環として、バーチャルツアーに組み込んでいるAIチャットボットの運用(質問内容とその回答)を、生徒主体で行っています。

生徒目線だからこそ生まれる「質問と回答」は、学校説明会では聞きにくい受験生の「本音」や、教師目線による型に嵌った質問内容ではないので、受験生にとっても有意義な時間を過ごすツールとして活用できます。

また、シナリオ構築を含む情報技術に触れることで、論理的なプログラミング思考を育むことにも繋がり、AIチャットボットの制作過程で、学校の魅力や特徴について再認識することができます。

【日出学園中学校・高等学校が導入している「Welcomist VR」】

画像出典:日出学園中学校・高等学校 バーチャル学校紹介

今後の新しいICT教育プログラムをお考えの方やご興味のある方、是非ご相談ください。

また、こちらでは高校におけるプログラミング教育について解説しましたが、別のコラムでは、中学校におけるプログラミング教育について解説しています。併せてご参考にしてください。
中学校のプログラミング教育の今〜必修化後の実践事例も解説〜