日本の伝統工芸品は、現在237品目(2022年3月18日時点)ありますが、伝統工芸市場は1984年をピークに縮小傾向が続き、2015年にはピーク時の約1/5まで衰退しています。
その背景には、ライフスタイルの変化や、安価な大量生産品の普及などにより、伝統工芸品に対するニーズが徐々に薄くなってきたという理由があります。
しかし現在では、天然素材が原料になっている・地域の資源を使って作られている・修理しながら長く利用できる、という点が「サステナビリティとの関係が深い」として、伝統工芸品に再注目する動きも見られており、これを機に、ECで通販を始めたいと考えている方も、多いのではないでしょうか?
本記事では、伝統工芸品を通販で販売する方法や、おすすめのサービスについて解説します。
伝統工芸品を通販で売る方法
伝統工芸品を通販で売るための、主な方法は3つあります。
ここでは、その方法の特徴を1つずつご紹介します。
ECサイトをゼロから作る
ECサイトとは、インターネット上で通販が行える、Webサイトのことです。「ECサイトをゼロから作る」という方法は、プログラミングやサーバー運用の知識・技術が必要なため、最も難度の高い方法です。
その一方で、自由にECサイトを設計・構築できたり、ECサイトにかかる費用を抑えられるというメリットがあります。
ECモールに出店する
ECモールとは、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのような、複数の通販店舗が出店されているサービスのことです。プログラミングやサーバー運用の知識・技術は不要であり、すぐにでも通販を始められるメリットがあります。
ただし、ECサイトの設計・構築の自由度は低く、販売手数料が徴収されます。競合との差別化も難しいので、ECモールでうまく販売するには、テクニックが必要となります。
EC構築サービスを利用する
EC構築サービスとは、プログラミングやサーバー運用の知識・技術がなくても、誰でも簡単にECサイトを設計・構築できるサービスです。
ECサイトをゼロから作るよりも、はるかに簡単に作成でき、ECモールに出店するよりも、自由度の高い設計・構築ができます。
月額料金はかかりますが、基本的に月々数千円でECサイトを運用できます。
伝統工芸品の通販の始め方
続いて、伝統工芸品の通販の始め方をご紹介します。
各ポイントをしっかりと抑えて「売れるECサイト」を作ってみましょう。
1.販売する伝統工芸品の特徴を整理する
販売予定の伝統工芸品について、その特徴をあらためて整理してみましょう。
職人や販売者の視点ではなく、ユーザーの視点に立って考えることが大切です。
2. ECサイトのコンセプトとターゲットを決める
次に、ECサイトのコンセプトとターゲットを決定します。
- コンセプト:ECサイトの中心テーマ、全体的な方針のこと
- ターゲット:ECサイトが販売対象とするユーザー
コンセプトとターゲットを明確にすることで、ECサイトのデザインや機能などを、正しく選択できます。
3. 通販方法を決める
ECサイトをゼロから作るのか、ECモールに出店するのか、あるいはEC構築サービスを利用するのか、それぞれの特徴を整理しながら、最も合理的な方法を選択します。
昨今のおすすめは「EC構築サービスの利用」ですが、必ずしも自社にとって、それが正解とは限りません。販売をする伝統工芸品の特徴や、ECサイトのコンセプト・ターゲットを踏まえて、決めてみてください。
4. ECサイトのデザインを決める
次に、ECサイトのコンセプトとターゲットに沿って、デザインを決めていきます。EC構築サービスは、多種多様なテンプレート(雛形)が用意されているため、デザイン決めがスムーズに行えます。
5. ECサイトの決済手段を決める
ECサイトの決済手段は多いほど良いですが、その分手数料がかかります。クレジットカード決済を基本として、電子マネーなどの決済手段も整えておくことをおすすめします。
6. 伝統工芸品の配送手段を決める
配送業者・配送日時・梱包方法など、伝統工芸品の配送手段を決めていきます。伝統工芸品の中には、デリケートなものも多いため、特に梱包方法は慎重に決める必要があります。
ギフトラッピングの有無なども決めておくと効率的です。
7. ECサイトを開設する
事前に決めた方法に従って、ECサイトを開設します。ECサイトをゼロから作る場合、制作会社に依頼する場合が多いと思うので、制作会社のフローに従って制作が進みます。
EC構築サービスの場合は、基本的に自身でECサイトを開設します。
参考までに、Shopify(ショッピファイ)を使ったECサイトの開設手順をご覧ください。
関連記事:4ステップでShopifyホームページを作る方法【画像解説付き】
8. 売上目標を決める
次に、通販の売上目標を決めます。売上目標は無理がなく、実現性が高い数値を設定するのがポイントです。
「売上目標の基準がわからない」という場合は、1ヶ月ほど運営してみてから、具体的な売上目標を考えてみましょう。
9. 集客を始める
最後に、伝統工芸品の通販で何よりも大切なことが「集客」です。伝統工芸品は「独自性」に優れた商品ですが、それでも集客を徹底しなければ、大量生産品に負けてしまう可能性があります。
ECサイトの集客方法については、「今やるべきShopifyマーケティング11選!施策ごとにコストや効果もご紹介」で解説しているので、参考にしてみてください。
伝統工芸品の通販販売戦略にはVRやライブコマースがおすすめ
伝統工芸品の通販で「他とは違った販売戦略を行いたい」という場合は、VRやライブコマースがおすすめです。
ここでは、それぞれのおすすめポイントをご紹介します。
VRで新しい顧客体験を提供する
VRとは「仮想現実」のことであり、デジタル空間に仮想的な世界を作り、その中で伝統工芸品を販売できる技術です。
例えば、当社の運営するMARIANA OCEANのECサイトは、後ほどご紹介する「Shopify」と「Welcomist VR」を連携して構築したバーチャルストアです。
▼MARIANA OCEANサンプル動画▼
ユーザーは、マリアナ諸島の美しい海を眺めながら、ショッピングを楽しむこともできます。
「独自性」の強い伝統工芸品では、独特の世界観や地元の美しい風景などをバックにした、魅力的なバーチャルストアが作れるため、強力な販売戦略としておすすめです。
ライブコマースで伝統工芸品の魅力を伝える
ライブコマースとは、インターネットを通じた動画のライブ配信により、商品を紹介する販売手法のことです。海外ではすでに定着している販売手法であり、SNSのインフルエンサー(社会的影響力のある人)を起用した、ライブコマースが主流となっています。
文章や写真だけでは伝えられない情報を動画で発信し、さらにライブ配信の臨場感を楽しんでもらいながら、ショッピングを促せます。
ライブコマースは、通常の通販方法と比較してファンが付きやすいため、伝統工芸品など「独自性」の強い商品との相性が良い販売戦略です。
伝統工芸品の通販におすすめのサービス
最後に、伝統工芸品の通販におすすめのサービスを2つ、ご紹介します。
Shopify(ショッピファイ)
画像出典:Shopify
Shopifyは、誰でも本格的なECサイトが作れるEC構築サービスです。月間25ドル(約3,000円)〜利用でき、通販に必要な機能をすべて揃えることができます。※1ドル=120円で計算
世界175ヵ国、約170万のECサイトがShopifyで作られており、今最も勢いのあるEC構築サービスの1つとなっています。
Shopifyの魅力を一言で表すのは難しいので、以下の関連記事をぜひ読んでみてください。
関連記事:今注目のShopify!メリット・デメリットについて徹底解説
VRSHOPii(VRショッピー)
画像出典:VRSHOPii
ECサイトを制作できるShopifyに、接客に特化したAIチャットボットを連携した「バーチャルストア」を運用するサービスです。
AI(人工知能)を活用することで、実店舗に近い接客を24時間365日可能にし、多言語対応で伝統工芸品の海外販売をサポートします。
バーチャルストア内では、画像やテキストに加えて、ECでは伝えにくい伝統工芸品の世界をしっかりと伝えられます。
ECサイトでは体感することができない「顧客体験」の提供ができるので、ユーザーの購買意欲の向上が期待できます。
まとめ
本記事では、伝統工芸品を通販で販売する方法や、おすすめのサービスについて解説しました。これまで伝統工芸品の市場規模が縮小傾向にあったのは、その素晴らしさを十分に伝えられるツールが不足していたからかもしれません。
しかし、今では通販という販売手段、ShopifyやVRSHOPiiといった新たなソリューションなど、伝統工芸品の魅力を伝えるための環境が整っています。日本の美しい文化を絶やさないためにも、伝統工芸品の通販を始めてみてはいかがでしょうか。
当社では、Shopifyとの連携ができるバーチャルストア運用サービス「VRSHOPii」の提供をしています。ECサイト上に、訴求力の高いオリジナルVR空間を表示させ、顧客の趣向に沿った接客を行います。
▼「VRSHOPii」使用!ニトリバーチャルショールーム▼
▼VRSHOPii 紹介動画▼
※画像をクリックすると動画が再生されます。
VRSHOPiiは、ブランドストーリーのアピールができ、コンテンツとしての楽しさに加え、MAツールも搭載しているので、新しい顧客体験の提供として効果的です。
伝統工芸品の魅力を最大限に伝えられる、通販ショップを作りたい方は、ぜひ検討してみてください。
また、SEO集客支援も行っており、ご興味ある方を対象に「現状分析&競合分析」資料を無償でお作りしています。
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