お役立ちラボ

2025年1月22日

オーバーツーリズム(観光公害)とは?対策と成功例をご紹介!


日本では、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、長らく水際対策を実施してきましたが、2023年4月29日に入国制限が解除されました。

観光業界は、コロナ禍での様々な制限により赤字が続いていたため、消費額の多い「インバウンドの復活」は待望の出来事でした。

しかし、観光客の急増により、人気観光地ではオーバーツーリズム(観光公害)が深刻化しています。

その結果、環境への負荷や地域住民への影響、ゴミ問題や交通混雑が顕在化し、持続可能な観光への対応が急務となっています。

さらに、コロナ禍で職を離れた人が多く、インバウンド需要の増加に対する人手不足も深刻な課題です。

ここでは、オーバーツーリズム(観光公害)への対策と、課題解決に向けた「成功例」をご紹介していきます。

 
 

成功例の対策を急ぐオーバーツーリズムとは?

オーバーツーリズム(観光公害)とは、端的に言うと、観光地(スポット)に観光客が集中しすぎて、地域住民の生活に悪影響を及ぼすことです。

日本では、コロナ禍前からオーバーツーリズムについて、問題視されてきましたが、主に観光都市で叫ばれてきたことで、観光公害=観光客による「自然破壊」と言われていました。

しかし、入国制限を解除した後の日本では、全国各地でオーバーツーリズムが深刻化しており、生活に支障をきたす混雑や騒音、マナー問題が多発しています。

インバウンドの復活は、観光業界のみならず日本経済を活性化させる上で、重要な役割を担っていますが、課題も山積みなので、解決に向けた対策が急がれています。

こうした課題に対応するためには、観光客の分散化や多言語でのマナー啓発・情報発信が欠かせません。

自治体や観光協会の広報・観光PR担当者向けに、AIを活用して多言語SEO記事を自動生成するプラットフォーム「ObotCRAFT(オーボットクラフト)」は、こうした取り組みを低コストで実現するツールとして注目されています。

 
 

成功例から対策すべきオーバーツーリズム問題

人々は、コロナ禍によって、長期間にわたり入国制限をされてきたため、海外旅行を我慢してきました。

しかし、日本では、2023年4月29日午前0時に入国制限を解除してから、コロナ禍前とは異なるオーバーツーリズム(観光公害)問題に直面しています。

ここでは、日本が直面している「オーバーツーリズム(観光公害)問題」について、詳しくご紹介していきます。

地域住民の生活に支障をきたす混雑

日本の観光地では、オーバーツーリズム(観光公害)によって、地域住民の生活に支障をきたしており、公共交通機関(主にバス)やお店など、生活圏内に人が溢れています。

特に、日本では、救急車を必要とする高齢者が多いため、道幅の狭い観光地などでは、救急対応が遅れるのではないかと、心配する住民も少なくありません。


画像出典:混雑・ごみ・騒音トラブルも…どうする?各地の“オーバーツーリズム対策”【Nスタ解説】

街の景観を損なうポイ捨て

日本では、テロ対策をはじめとし、カラスからの被害をなくしたり、ゴミ回収にかかる費用を節約するため、街中にゴミ箱が設置されていません。

各市町村では、綺麗な街を維持するために「ポイ捨て禁止条例」を制定しており、自分で出したゴミは、持ち帰る(指定の場所に捨てる)ことが「マナー」になっています。

しかし、海外の観光客は、街中にゴミ箱があることを「当たり前」に思っており、すぐにゴミを捨てられない日本の現状に「不便さ」を感じています。

そのため、ポイ捨て問題は、インバウンドの復活に伴って深刻化しており、火災の発生にも繋がりかねないため、ゴミ箱の設置を急ぐ自治体も少なくありません。

ところが、観光地によっては、ゴミ焼却施設が近くにないこともあり、ゴミ箱の設置ができない自治体も存在し、対策に追われています。


画像出典:【世界遺産「白川郷」】ゴミ問題 観光客が戻り“ポイ捨て”増加 「ゴミ箱」設置しても…

酔っ払いによる危険な騒音

観光地では、食べ歩きや飲み歩きにより、ポイ捨て問題も深刻化していますが、同じように騒音も課題となっています。

例えば、騒音問題には、酔っ払いによる大きな声での会話や、夜遅くまで屋台を楽しんだ後、街を歩く女性にしつこく絡んで、ナンパをするなど、治安の悪化も懸念されています。

立入禁止区域での記念撮影

外国人に人気のスポットは、観光地として受け入れ体制が整っていない場所も多く、住民を不安な気持ちにさせたり、過剰な迷惑行為が問題視されています。

例えば、外国人観光客の撮影問題は、事故に繋がりかねない「線路への侵入」や「道端での撮影」などがあり、このような危険行為は、社会問題になっています。

さらに、迷惑行為に関しては、立入禁止区域への不法侵入に止まらず、私有地にも無断で侵入し、住民が恐怖を抱えて生活しているため、自治体への苦情も増え続けています。


画像出典: 『伊根の舟屋は観光地ではありません』その真意を調査

 
 

オーバーツーリズム対策の成功例に繋がるサービス

オーバーツーリズム問題は、外国人観光客が「必要なタイミングで必要な情報を入手できていない」ということも、原因の一つになっています。

なぜなら、外国人観光客は、日本の文化や風習と異なる環境で生活してきたため、日本人ならわかる「マナー」を全て理解して、訪日することは困難だからです。

そのため、マナー問題を解決するためには、禁止行為に対して、必要なタイミングでわかりやすく(多言語対応)注意喚起することも必要です。

ここでは、オーバーツーリズム対策の成功例に繋がるサービスについてご紹介してきます。

Minutz

オーバーツーリズム対策には、観光客に注意喚起する場面を増やすことが重要です。

Minutz(ミニッツ)は、Web会議の内容(音声)を30言語以上へ自動翻訳して、AIが自動で文字起こしを行うツールです。スマートフォンやタブレットでも使用可能なため、例えば、ホテルのフロントデスクや観光施設の窓口にタブレットを置いて、外国人観光客に注意事項などを通訳なしでも行うことができます。

また、Minutzはリニューアルし、これまで以上に聞き取り精度が向上し、発言の正確な認識と翻訳が可能となり、現在、期間限定の無料トライアルからの申し込みが増加中です。

リニューアルしたMinutzは、用語や項目の自由な追加が可能な「辞書登録機能」を実装しています。さらに、文化やルールを自動的に判断し、細かなニュアンスまでを翻訳する「文化翻訳」機能も大きな魅力です。

▼リニューアル版・Minutzデモ動画▼


※画像をクリックすると動画が再生されます。

ご不明点・ご相談ごとは下記より問い合わせ(ご面会時にもMinutzライトのデモをお試し可能)

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ObotCRAFT

現場での注意喚起と並行して、訪日前の外国人観光客にマナーやルールを届けることも、オーバーツーリズム対策として有効です。観光地を訪れる前に正しい情報を知ってもらうことで、トラブルの未然防止につながります。


画像出典:ObotCRAFT(株式会社ObotAI)

自治体や観光協会の広報・観光PR担当者向けに、AIを活用して日本語・英語・中国語(繁体字)・タイ語の4言語に対応したSEO記事を自動生成するプラットフォーム「ObotCRAFT(オーボットクラフト)」は、単なる翻訳ではなく、各国のユーザーが実際に検索する言葉をもとにコンテンツを設計するため、ネイティブに近い自然な表現で情報を届けられます。

現地の検索エンジンでも上位を狙えるため、混雑する観光地への集中を避けるための分散情報や、マナー・ルールの啓発コンテンツをより多くの外国人観光客に届けることができ、オーバーツーリズム対策の強化にも貢献します。

オーバーツーリズム対策に最適!▼▼ObotCRAFTデモ動画▼▼


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チャットブリッジ

日本の慣習や習慣を外国人従業員に周知し、外国人従業員を通じてインバウンド客へ注意喚起を行っていくことも一つの方法です。

例えば、宿泊業に従事する外国人スタッフが、チェックイン時や荷物の運搬時に観光客へ適切な注意事項を案内することで、観光地が抱える課題の一部を緩和できる可能性があります。

そのためにはまず、企業と外国人従業員のコミュニケーションを強化する必要があります。

そして、日本の文化や風習など、日本人ならわかる「マナー」を理解してもらうには、文化的背景を理解したコミュニケーションが重要です。

観光地で宿泊業に従事する外国人従業員と企業に「チャットブリッジ」
株式会社ObotAIが提供する「チャットブリッジ」は、AIを活用した文化翻訳(カルチャートランスレーション)で、企業のルールやミッション、異文化における習慣やマナーを考慮して翻訳を行うことができます。

これにより、従来の通訳者だけでは難しかった、正確で文化的背景を理解したコミュニケーションが可能となり、意思疎通の問題を解消できます。

◎LINE上で無料で利用ができ、誰でも簡単に扱える設計!
◎職場での多文化共生を実現
◎会話履歴のデータを活用して多言語FAQや社内マニュアルの自動生成ができる

▼動画でまるわかり!チャットブリッジの「文化翻訳」とは?▼

※画像をクリックすると動画が再生されます。

【導入実績】

【株式会社あきた創生マネジメント】

【新世界語学院】

【株式会社 人生100年応援企業×国際人材カウンセル佐藤勇紀夫代表】

 

 

インバウンドアシスト

オーバーツーリズムへの対策は、自治体ごとに異なっていますが、問題解決に向けて、自治体や観光施設などが民間企業と連携して、課題解決に向けたプロジェクトを行なっています。

以下サービスは、期間限定で自治体や観光施設などに、無料でサービスを提供しています。


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成功例から見る日本のオーバーツーリズム対策

日本では、オーバーツーリズム(観光公害)問題が深刻化しており、観光地でのトラブルを抑制しようと、各自治体では、様々な対策を講じています。

ここでは、各自治体が行っている「具体的な対策」について、わかりやすくご紹介していきます。

埼玉県秩父市

秩父市観光なび
画像出典:秩父市観光なび

埼玉県秩父市では、特に紅葉シーズンの三峰神社周辺で深刻化する交通渋滞や駐車場不足が課題となっていました。

この対策として、2024年2月よりAIカメラを活用した混雑可視化システム「VACAN」を導入しました。駐車場や周辺道路の状況をリアルタイムで配信し、2025年2月からはAIによる1週間先までの混雑予測も開始しています。これにより、観光客は訪問時間を調整しやすくなりました。

さらに、冬季には「秩父夜街 彩さんぽ」といった夜間ライトアップイベントを開催し、観光客の滞在時間を夜間へ分散させることで、日中の混雑緩和を図っています。これらの施策により、観光客の満足度向上と周遊促進を目指しています。

東京都台東区

台東区観光情報サイト
画像出典:台東区観光情報サイト

観光客の増加に伴うごみのポイ捨てが問題となっていた浅草地域では、持続可能な観光地づくりを目指し、ユニークな対策を実施しています。

2024年4月に地元の観光連盟などが中心となり「浅草地区持続可能な観光地づくり協議会」を設立しました。具体的な取り組みとして、ゲーム感覚でごみ拾いを楽しむイベント「清走中」を開催し、参加者が楽しみながら地域の美化に貢献できる仕組みを導入しました。2025年1月のイベントでは1時間半で多くのごみを回収するなど、市民参加型の環境美化活動として成果を上げています。

また、持ち帰り用ごみ袋の配布や、「江戸」をテーマにしたコスチュームのスタッフによるマナー啓発も行い、多角的なアプローチで課題解決に取り組んでいます。

神奈川県足柄下郡箱根町

箱根町
画像出典:箱根町

神奈川県箱根町では、観光客の集中による交通混雑が長年の課題でした。

特に、大きな手荷物を持った観光客による公共交通機関の混雑や、紅葉シーズンなどのピーク時の箱根ロープウェイの長蛇の列が問題視されていました。この対策として、町は「手ぶら観光」を強力に推進しています。箱根湯本駅から宿泊施設へ手荷物を直送する「箱根キャリーサービス」や、手荷物預かり所を拡充し、身軽な移動を促進しています。

さらに、特に混雑する時期には、箱根ロープウェイでWEB事前予約による「ファストレーン(優先改札)」制度を導入しています。これにより、待ち時間を大幅に短縮し、混雑の平準化を図ることで、観光客の満足度向上と持続可能な観光地の両立を目指しています。

新潟県佐渡市

佐渡市
画像出典:佐渡観光ナビ

佐渡金山の世界遺産登録を契機とした観光客増加を見据え、新潟県佐渡市では交通混雑の緩和と周遊促進を目的とした対策を実施しています。

特に観光客が集中する相川地区において、無料の「相川周遊バス」を運行し、パーク&ライドを推進しています。これにより、自家用車の乗り入れを抑制し、主要観光拠点である「きらりうむ佐渡」や佐渡金山へのアクセスを円滑化しています。世界遺産周辺の受入環境を整備し、観光客の利便性向上と地域内のスムーズな交通循環を図っています。

山梨県大月市

大月市観光協会
画像出典:大月市観光協会

富士山観光の玄関口である大月市では、多くの観光客が市を通過する「素通り観光」が課題でした。

このオーバーツーリズムの未然防止と観光客の分散を図るため、市は外国人観光客を市内に誘導するモデルコースを整備しました。滞在時間別に複数の周遊ルートを設けるとともに、駅構内のデジタルサイネージや多言語対応の散策マップで情報発信を強化しています。モニターツアーを通じてコースの魅力を高め、これまで通過していた観光客の市内周遊を促進し、地域経済の活性化を目指しています。

静岡県(富士山 富士宮口・御殿場口・須走口)

ハローナビしずおか
画像出典:ハローナビしずおか

富士山静岡県側の登山口では、夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」や軽装による遭難リスク、登山者の集中による混雑が深刻な課題でした。

これに対応するため、2024年夏から富士宮、御殿場、須走の3登山道でウェブによる「登山事前登録システム」を導入し、計画的な登山を促進しています。夜間(午後4時~午前3時)の通行規制も実施しました。さらに、登山口に安全指導員を配置し、装備や体調の確認と指導を行うことで安全啓発を強化しています。

結果として、危険な弾丸登山は大幅に減少し、登山道の著しい混雑も緩和されるなど、安全で快適な登山環境の実現に向けた成果を上げています。

京都府・京都市


画像出典:京都市交通局

京都市では、市バスの深刻な混雑や観光マナーの低下といったオーバーツーリズム問題が深刻化しています。

この課題に対応するため、市は複合的な対策を推進しています。2024年6月には、主要観光地をダイレクトに結ぶ「観光特急バス」の運行を開始しました。運賃を市バスの2倍に設定することで、市民と観光客の利用の棲み分けを図っています。

また、持続可能な観光の実現に向け、観光客や事業者が守るべき行動基準「京都観光モラル」を策定し、マナー向上を呼びかけています。さらに、財源確保策として宿泊税の引き上げも検討されています。これらの施策により、観光特急バスは1日平均約2300人が利用するなど、混雑緩和に一定の成果を上げています。


画像出典:オーバーツーリズムの影響は市バスにも…どうする?観光客の『大型手荷物』

和歌山県高野町

和歌山県観光連盟
画像出典:和歌山県観光連盟

世界遺産・高野山では、紅葉期などの観光シーズンに交通渋滞や駐車場不足が深刻化しています。

特に、無料駐車場が長時間利用されることで、駐車場の回転率が低いことが課題となっていました。この対策として、高野町と金剛峯寺は2024年11月に、中心部の主要駐車場である「中の橋駐車場」と「金剛峯寺前第2駐車場」を有料化する実証実験を実施しました。30分以上の利用を一律1,000円とすることで、不要不急の車両流入を抑制し、公共交通機関の利用を促進しています。また、駐車場の満空情報をリアルタイムで発信することで、来訪者の利便性向上と交通の分散化を図っています。

高知県いの町

いの町観光協会
画像出典:いの町観光協会

「仁淀ブルー」の聖地として知られる高知県いの町の「にこ淵」では、観光客の集中による交通渋滞や、狭く急な階段による危険性が課題となっていました。

このオーバーツーリズム状態を解消するため、町は観光庁の事業を活用し、2025年2月に抜本的な対策を実施しました。にこ淵へ至る遊歩道を新たに整備し、安全性と快適性を向上させるとともに、ビュースポットを新設しました。さらに、駐車場の空き状況を知らせる電子看板の設置や、町の未発見の魅力を発信することで、観光客を他のエリアへ誘導する「多極分散」を促進しています。

これにより、混雑緩和と周遊観光の推進を実現し、持続可能な観光地づくりを目指しています。

熊本県阿蘇市

くまもとガイド
画像出典:くまもとガイド

阿蘇市では、観光客の集中による交通渋滞や情報不足が課題となっていました。

対策として、地域住民と観光客の交流を促す体験ツアーやイベントを実施し、観光への理解を深めています。また、観光庁の支援を受け、阿蘇神社周辺の駐車場や観光施設に多言語対応のモニターを設置し、リアルタイムの混雑状況を可視化しています。これにより、観光客の分散を促し、満足度向上と地域住民の負担軽減を目指しています。IoT技術を活用し、スマートな観光地づくりを進めています。

沖縄県竹富町(西表島)

竹富町観光協会
画像出典:竹富町観光協会

世界自然遺産・西表島を抱える沖縄県竹富町では、観光客の急増によるオーバーツーリズムが課題となっていました。

特にピナイサーラの滝など一部の人気エリアに観光客が集中し、希少な生態系を含む自然環境への負荷増大が懸念されていました。このため町は、エコツーリズム推進法に基づき、特に保全すべき5つのエリアを「特定自然観光資源」に指定しました。2025年3月1日から、1日あたりの立入人数を制限する制度を開始しました。対象エリアへの立入りには事前申請と承認が必要で、専門の登録ガイドの同行などが条件となります。

この取り組みにより、自然環境を将来にわたって保全し、持続可能で質の高い観光の実現を目指しています。

北海道

北海道観光振興機構
画像出典:北海道観光振興機構

観光客の急増に伴う一部地域の混雑や交通問題といったオーバーツーリズムの課題に対応するため、北海道は2026年4月から宿泊税を導入します。

1泊100円から500円の税を課し、年間約45億円の財源を確保する見込みです。この財源は「観光の高付加価値化」「観光サービス・インフラの充実」「危機対応力の強化」の3本柱に活用されます。具体的には、人流データを活用した混雑の可視化と分散誘導、バスなど二次交通の利便性向上、観光施設の整備やDX化、マナー啓発などを通じて、旅行者の満足度向上と地域住民の生活環境保全の両立を目指しています。

長野県

長野県観光機構(Go NAGANO)
画像出典:長野県観光機構(Go NAGANO)

長野県では、国内外からの観光客増加に伴うオーバーツーリズムへの対応と、持続可能な観光地経営を実現するための安定財源確保が課題となっていました。この課題解決のため、2026年6月1日から県内全域で宿泊税を導入します。

具体的には、宿泊者1人1泊あたり300円(導入後3年間は200円)を課税し、年間約22億円から33億円の税収を見込んでいます。この新たな財源は、世界水準の山岳高原観光地の実現を目標に、豊かな自然環境の保全、観光インフラの整備、多言語対応の強化といった受入環境の充実に活用されます。これにより、観光客の満足度向上と地域への負荷軽減を両立させ、質の高い観光地づくりを目指しています。

山形県山形市

蔵王温泉観光協会
画像出典:蔵王温泉観光協会

蔵王温泉では、国内外から多くの観光客が訪れる「樹氷」シーズンの蔵王ロープウェイの深刻な混雑が課題となっていました。この対策として、2024年11月から混雑緩和策を開始しました。

ウェブサイトや現地のモニターでリアルタイムの混雑状況を発信するほか、スキー場各所にカメラを設置し、混雑の可視化と分散を図る実証実験を行っています。また、リフト券のオンライン事前購入システムを導入し、チケット窓口の行列を解消しています。さらに、観光庁の補助事業を活用し、グリーンシーズンを含めたオールシーズンでの魅力向上と需要の平準化にも取り組んでおり、持続可能な観光地を目指しています。

福岡県太宰府市

太宰府市観光情報
画像出典:太宰府市観光情報

年間約1000万人が訪れる太宰府市では、観光客が太宰府天満宮周辺に集中することによる深刻な交通渋滞が長年の課題でした。特に週末や観光シーズンには、周辺道路の麻痺や地域住民の生活への影響が問題視されていました。

この対策として、市は自家用車での来訪を抑制し、公共交通機関への転換を促す「パーク&ライド」を推進しています。具体的には、最寄り駅の一つ手前のJR二日市駅周辺などに車を停め、電車で太宰府へ向かうルートを推奨しています。さらに、観光客を天満宮以外にも誘導するため、AR技術を活用したスタンプラリーや、地元の学生による多言語観光ガイドを実施し、市内の歴史的スポットへの周遊を促進することで、混雑緩和と地域全体の活性化を図っています。

 
 

成功例から見る海外のオーバーツーリズム対策

ここまでは、日本の自治体が行っている「オーバーツーリズム対策」について、ご紹介してきました。

ここからは、海外で行われている「オーバーツーリズム対策」を、わかりやすく解説していきます。

スペイン・バルセロナ

バルセロナには、1日あたり約17万人の観光客が市内に宿泊しており、観光GDPは約12%となっています。

バルセロナは、スペインの中で最も観光客が多く、以前は「反観光デモ」が問題視されていました。一方で、現在は、スペイン政府観光局・局長のアレハンドレ氏によると、有名都市以外の魅力を積極的にPRすることで、観光客を計画的に分散させ、オーバーツーリズムを回避しているようです。また、サグラダファミリアなどの有名観光地では、入場チケットを事前予約制にして、観光客の人数を制限しています。

イタリア・ベネチア

ベネチアでは、観光船が景観を損ねていたり、地盤に悪影響を与えていることが問題になり、住民の満足度が低下し、人口の現象が深刻化しています。

そのため、2024年からは、街の混雑に影響を与えるにも関わらず、観光消費に繋がらない大型のクルーズ船を禁止し、航行する船サイズに上限を設けます。これにより、街全体としては、高品質な観光体験を提供し、一人当たりの観光収益を目指す方向です。さらに、2024年からは、日帰り観光客に対して、1日5ユーロ(日本円で約800円)の入場料を徴収することも決めました。

加えて、政府は、観光客が守るべき「12のガイドライン」を作り、マナー改善を促進しています。ガイドライン(マナー)を守らなかった場合は、必要に応じた対処がなされ、罰金を徴収されることもあり、禁止行為を厳しく取り締まります。

アメリカ・ハワイ州

ハワイ州の観光局は、ハワイ語で「思いやり」という意味を持つ「Mālama Hawaiʻi」を軸に、観光客にHawaiiの歴史や文化を正しく伝えて、マナー遵守を求めています。

例えば、Mālama Hawaiʻiでは、絶滅危惧種が多く生息する自然環境や、貴重な生物に対して理解を促し、思いやりの心を実践する「レスポンシブル・ツーリズム(旅先に配慮すること)」を掲げています。

 
 

サスティナブルツーリズムとは?

サステナブルツーリズムとは、日本語で表現すると「持続可能な観光」であり、環境汚染や自然破壊など、観光問題の解決に向けた取り組みです。

持続可能な観光は、3つの柱「文化・環境・経済」を守ることであり、住民からの満足度も得ながら、地域の特性を活かした観光地を目指すことです。

国連世界観光機関(UNWTO)は、持続可能な観光をわかりやすく定義すると、以下であると述べています。

「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」

例えば、サスティナブルツーリズムは、オーバーツーリズムで問題視されている「ゴミ・騒音問題」や「交通渋滞」の課題であったり、自然破壊を伴った開発行為の防止に繋がります。

特に、外国人観光客は、文化や風習の違いによる「マナー」問題が深刻であり、日本への理解を促すためにも、国内外で積極的にマナー関連の発信をしていくことが重要です。

インバウンドのメリット

ここまでは、オーバーツーリズムにおける「日本と海外の対策事例」や、近年注目されている「サスティナブルツーリズム」について、ご紹介してきました。

ここからは、オーバーツーリズムなどが問題視されながらも、日本における「インバウンドのメリット」に関して、解説していきます。

大きな経済効果

インバウンドのメリットは、消費額が大きいため、国内経済に「大きな影響をもたらす」ことです。

観光庁は、2023年4ー6月期の訪日外国人旅行消費額を発表していますが、全体としての消費額は1兆2,052億円で、1人当たりの旅行支出が20万5千円と、経済効果が大きいのが特徴です。

また、外国人観光客が訪れる場所は、コロナ禍前に比べると、王道の観光コースだけではなく、SNSで拡散されている仲間の情報から、マイナーな場所に立ち寄ることも増えました。

特に、アジア圏の観光客は、日本までのアクセスがいいため、リピーターが多く、アニメの聖地巡礼を行ったり、自慢できる珍しいスポットが人気で、地方への経済効果が大きいです。

対して、欧米の観光客は、移動時間が長く交通費も高いため、せっかく旅行するなら「日本を堪能したい」という考えが強くなり、長期滞在(1週間以上)をして、都市部から地方まで、満遍なく足を運ぶようになりました。

伝統文化の認知拡大

インバウンド観光客は、美味しい「食」や「温泉」だけではなく、日本の「おもてなし」をはじめとした、伝統や文化遺産を体感するために、日本へ訪れることが多いです。

特に、訪日観光客は、画像や動画を沢山撮って、SNSから情報を拡散するため、外国人観光客の集客力向上だけではなく、日本の伝統文化などが認知される機会にも繋がっています。

最近では、日本人が伝統工芸に触れる機会よりも、訪日・在日外国人の方が、興味をもって体験することが増え、インバウンド需要によって「古き良き文化」が守られているのも事実です。

外国人観光客が増えることは、オーバーツーリズムなど、マイナスなイメージを持たれることもありますが、きちんと対策を講じることで「公害」ではなく「保護」にも繋がります。

地域経済の活性化

外国人観光客の増加は、需要と共に供給力も必要になってくるため、地域経済の活性化にも繋がります。

例えば、水際対策が終了した後は、コロナ前に比べると、日本人でもあまり行かないような「マイナーな地方」に、外国人観光客が訪れるようになりました。

そのため、雇用の創出が難しい地方は、外国人観光客が増えることにより、新たな雇用機会が生まれ、地域経済の活性化に繋がっています。

さらに、外国人観光客は、気に入った商品(お菓子や伝統工芸品など)があると、ECサイトの普及に伴って、リピーターとして自国から購入する機会も増えました。

日本は、輸出の大部分を車で賄っており、小売業などは、なかなか数値として伸び悩んでいるのが現状です。

しかし、外国人観光客の増加は、日本の小売業界にとって絶好の機会であり、海外進出する足掛かりになっています。

加えて、インバウンドの需要は、交通インフラの整備にも繋がっており、日本の伝統文化がありながらも、東京からアクセスしにくいことを理由に、通過点になっている福井県には、2024年3月16日から北陸新幹線が入線するようになります。


画像出典:福井県内の新幹線停車駅をご紹介!

 
 

インバウンドのデメリット

ここまでは、オーバーツーリズムなどが問題視されながらも、日本における「インバウンドのメリット」について、ご紹介してきました。

ここからは、エコツーリズムなどが考えられるようになった「インバウンドのデメリット」を、詳しく解説していきます。

オーバーツーリズム

外国人観光客が、キャパシティを超えて押し寄せることにより、需要に対する対策が整っていないため、オーバーツーリズムを引き起こします。

海外では、日本よりも早く、オーバーツーリズム対策をしており、様々な成功事例が存在しています。

日本では、各国の事例を参考にしながら、各自治体の問題に合わせて、必要に応じた対策を講じる必要があります。

コミュニケーション

インバウンド観光客は、日本人と異なり、言葉が思うように通じないため、コミュニケーションによる問題が発生します。

最近では、話した言葉を瞬時に通訳できる「ツール」や「アプリ」が増えたので、便利になってきましたが、地方の観光地などでは、導入の方法がわからずに、見送っているお店も存在します。

ツールやアプリは、手軽に使える無料タイプから、サポートやセキュリティ面などに対応している有料タイプがあるため、自社にあったものを選ぶことができます。

マナートラブル

外国人観光客のマナートラブルは、数多く存在しますが、その中でも事故に繋がるものとして、線路に侵入して写真を撮る行為です。

最近では、駅員の注意を振り切る「撮り鉄」の行為が問題視されており、スラムダンクの聖地である「鎌倉高校前1号踏切(江ノ電)」は、マナー問題でネットニュースになっています。

京都市では、外国人観光客等へのマナー啓発として、オリジナルの冊子「MIND YOUR MANNERS」を作成して、積極的に注意を促しています。

 
 

まとめ

本記事では、外国人観光客が増えたことで問題視されている「オーバーツーリズム」の対策や、成功事例についてご紹介してきました。

オーバーツーリズムは、別名「観光公害」とも呼ばれており、観光地の住民生活と自然環境を守るためにも、必要な対策となります。外国人観光客へのマナー啓発は、トラブルを防止するためにも、不快のないように、文化や風習の違いを伝える必要があり、なかなか難しいものです。

そこで、当社では、ホテルのフロントデスクなどにタブレットを置いて注意事項などを通訳なしでも行うことができる「Minutz」や日本の慣習や習慣を外国人従業員を通じて、インバウンド客へ注意喚起を行うために、外国人従業員とのコミュニケーションをより強化できる「チャットブリッジ」というツールを提供しています。

また、多言語でSEO記事を自動生成する「ObotCRAFT」で観光地PRの効率化のサポートを行っています。

ご不明点・ご相談ごとについては、下記の「オンライン予約」よりご予約いただければ、当社スタッフからサービスのご案内をさせていただきます。
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記事作成:株式会社ObotAI 代表取締役 北見好拡

株式会社ObotAI 代表の北見好拡(きたみ よしひろ)です。もともとサイパンでリゾート事業を営んでいましたが、海外のお客様との言葉の壁に悩んだ経験から、AI×多言語の道へ飛び込みました。今は川崎市を拠点に、自治体向けの多言語AIチャットボットや、AI接客ソリューション「おもてなしアバター」、AIとの会話だけでアプリが作れる「バイブコーディング」を学べる研修「センセイラボ」などを手がけています。

AIに関する本の執筆やセミナー登壇もしながら、「テクノロジーで言葉と心の壁をなくす」をモットーに日々奮闘中です。

著書:社長、アプリは内製できますよ!: AIと会話しながらソフトウェアができちゃう「バイブコーディング」入門

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