
日本の介護業界では慢性的な人手不足が深刻化しており、高齢化の進展により今後その不足はますます拡大すると予測されています。2025年には約38万人の介護人材が不足するとされ、この課題を解決するため、外国人材の受入れが強化されています。
2019年に創設された特定技能制度は、人手不足解消を目的に一定の技能や日本語力を持つ外国人を対象に導入されました。
介護は分野別の一つとして設定され、技能実習からの移行も可能です。本制度の運用は定期的に改正されているため、常に最新の通知や情報を確認する必要があります。
本記事では、介護事業者が特定技能外国人を採用する際に必要な情報や、採用後に直面する課題と解決策を詳しく解説します。
特定技能「介護」とは
特定技能「介護」は、一定の介護スキルと日本語能力を有する外国人が日本の介護施設で働くことを可能にする制度です。在留資格は特定技能1号に限定され、在留期間は最長5年。家族の帯同は認められていません。
受入れ対象は、フィリピン、インドネシア、ベトナム、バングラデシュなど多数の国からの候補者です。彼らは介護技能テストや日本語能力試験(国際交流基金とおよび日本国際教育支援協会が実施)を受験し、合格したうえで在留資格が交付されます。
この制度により、一定の介護技能と日本語能力を有する外国人が、日本の介護施設で働くことが可能になりました。
特定技能1号の対象分野である介護では、訪問介護を除き、施設や通所・入所型サービスなどでの業務が認められています。
また、技能実習からの移行も可能で、即戦力となる外国人材の活用が期待されています。
本制度の導入により、多文化共生が進むだけでなく、介護現場の人手不足解消にも大きく貢献しています。
近年、制度改正や運用ルールの更新が頻繁に行われており、最新情報を確認することが重要です。例えば、制度の改正により訪問介護サービスでの特定技能外国人の従事が認められる方針になりました。
任せられる業務
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、介護施設や通所・入所型の介護サービス事業所で、日本人の介護職員と同様の業務を行うことが認められています。
※対象施設→厚生労働省「対象施設」
具体的には、高齢者や要介護者の日常生活を支援する身体介護(食事、入浴、排泄の介助など)や、生活援助(掃除や洗濯など)を担当します。
また、利用者の健康状態を確認しながら、レクリエーション活動や社会参加の支援を行うこともあります。
現在、訪問介護は対象外となっていますが、2024年6月19日の有識者検討会にて、訪問介護サービスでの特定技能外国人の導入を解禁する方針が決定し、2025年4月から以下の条件を満たした場合、可能となりました。
※詳しくは、厚生労働省|特定技能制度に係る既存の分野別運用方針の改正について(令和7年3月11日閣議決定)をご確認ください。
特定技能1号では、介護職員としての基礎的な技能と日本語能力が求められ、利用者との円滑なコミュニケーションが重要なポイントとなります。
雇用形態
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、日本の介護施設や事業所と直接雇用契約を結ぶことが義務付けられています。
派遣雇用は認められておらず、受け入れ施設が責任を持って雇用し、労働環境を整える必要があります。
雇用契約の形態としては、フルタイム(常勤)での雇用が義務付けられており、労働条件は日本人と同等以上であることが求められます。
また、特定技能1号の在留資格は最長5年間の就労が可能ですが、特定技能2号への移行が認められていないため、長期的な雇用には工夫が必要です。
さらに、雇用主は外国人労働者の生活支援や日本語学習のサポートも行うことが求められています。
受け入れ人数の上限
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人の受け入れ人数には、政府が定めた上限があります。
特定技能制度は人手不足解消を目的としていますが、日本人の雇用を圧迫しないよう、各分野ごとに受け入れ可能な人数枠が設定されており、毎年の需給状況に応じて見直しが行われます。
また、各事業所が受け入れられる人数は、日本人等の常勤介護職員数と同数が原則となります。
特定技能「介護」を導入するメリット
特定技能「介護」の導入は、慢性的な人材不足に悩む介護現場にとって大きなメリットがあります。
ここでは、特定技能「介護」を導入するメリットについて解説します。
介護現場の人材不足の解決
日本の介護業界では、高齢化の進行に伴い慢性的な人材不足が深刻化しており、厚生労働省の「2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」によると、2025年には約37.7万人不足すると見込まれます。
特定技能「介護」の導入により、一定の介護スキルと日本語能力を持つ外国人材を受け入れることが可能になり、人手不足の解消に大きく貢献します。
介護業務に必要な知識や技術を持つ外国人労働者を採用することで、現場の負担軽減やサービスの質の向上にもつながります。
多文化共生と職場環境の活性化
特定技能「介護」を通じて外国人労働者を受け入れることで、職場の多文化共生が進み、新たな価値観や視点が生まれます。
異なる文化や言語を持つスタッフが共に働くことで、職場内のコミュニケーションが活性化し、多様な考え方を尊重する環境が育まれます。
また、外国人労働者が持つ母国の介護文化やケアの考え方が、日本の介護現場に新たな発想をもたらすことも期待されます。
助成金・補助金制度の活用
特定技能「介護」の導入を検討する事業者にとって、助成金や補助金の活用は大きなメリットとなります。
政府や自治体は、外国人介護人材の受け入れを促進するために、さまざまな支援制度を用意しています。
これらの制度を活用することで、経済的負担を抑えながら外国人材の採用と定着を進めることができ、持続可能な介護サービスの提供につながります。
特定技能「介護」の注意点
特定技能「介護」を活用する際には、いくつかの重要な制約があるため、事前に確認しておく必要があります。
ここでは、介護の現場で特定技能外国人を採用する際の注意点を解説します。
派遣雇用が不可
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、派遣労働者としての就労が認められておらず、必ず受け入れ事業所との直接雇用契約を結ぶ必要があります。
これは、介護業務の特性上、安定した雇用環境のもとで適切な教育や研修を受け、利用者に継続的なケアを提供することが求められるためです。
派遣会社を通じた短期間の就業や、複数の施設での勤務といった形態は認められていないため、雇用主側は契約内容を正しく理解し、適切な雇用管理を行う必要があります。
また、直接雇用を前提とすることで、外国人労働者が職場に定着しやすくなり、長期的な人材確保にもつながります。
訪問介護が不可
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、訪問介護の業務に従事することが認められていません。
これは、訪問介護が利用者の自宅で1対1のケアを提供する形態であり、高度な日本語能力や緊急時の判断力が求められるためです。
また、訪問介護では利用者ごとのニーズに細かく対応する必要があり、十分な経験と専門的な知識が不可欠となります。
そのため、特定技能外国人は特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどの施設内での業務に限定されます。
ただし、2024年6月19日の有識者検討会にて、訪問介護サービスでの特定技能外国人の導入を解禁する方針が決定したので、近々「訪問介護」も可能となる見通しです。
転職が可能
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、一定の条件を満たせば転職が可能です。
これは、技能実習制度とは異なり、特定技能制度が労働者としての権利を保障する仕組みであるためです。
転職する際は、引き続き特定技能「介護」に該当する業務であること、受け入れ先の施設が適正な基準を満たしていることが条件となります。
ただし、転職が容易である一方で、待遇や職場環境に不満があると離職につながる可能性があるため、雇用主は適切な労働条件の整備や外国人スタッフの定着支援を行うことが重要です。
安定した雇用関係を築くために、定期的な面談やキャリア支援を行うことが望まれます。
特定技能2号での受け入れがない
特定技能には1号と2号がありますが、特定技能2号は2023年からは介護を除く11分野が対象となったので、特定技能「介護」は、特定技能1号にのみ適用されています。
特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人が長期的に日本で働くことを可能にする制度ですが、介護分野ではこの枠組みが設定されていないため、特定技能1号の在留期間が最長5年である点に注意が必要です。
5年の在留期間が終了した後、引き続き日本で介護業務に従事するためには、介護福祉士の資格を取得し、「介護」在留資格へ変更する必要があります。
受け入れ事業所側の要件
特定技能外国人を採用する際、事業所には出入国在留管理庁や厚生労働省が定める一定の要件を満たす必要があります。
また、受け入れには在留資格申請や雇用契約の締結、日本語教育のサポート体制など、複数の手続きを正しく行わなければなりません。
これらの手続きは行政の指針に基づき随時更新されているため、常に最新のガイドラインを確認することが推奨されます。
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◎介護老人保健施設
◎介護老人福祉施設
◎有料老人ホーム
◎認知症対応型共同生活介護
◎児童福祉法関係の施設
◎障害者総合支援法関係の施設
◎病院または診療所
※詳しくは、厚生労働省「対象施設」をご確認ください。
また、適正な雇用契約の締結、最低賃金以上の給与支給、日本人と同等の待遇の確保が必要となり、外国人労働者が業務を円滑に遂行できるよう、介護業務に関する研修や日本語学習の支援を行うことが推奨されます。
さらに、特定技能の在留資格申請する前に、介護分野の協議会への加入が必要となります。
特定技能外国人を雇用するにあたって、さまざまな要件があるので、雇用を考えている企業は、出入国在留管理庁の「特定技能ガイドブック」を一度確認することをおすすめします。
特定技能「介護」の課題
特定技能制度の導入により、介護分野でも外国人材の活用が進んでいますが、実際の現場ではさまざまな課題が生じています。
ここでは、特定技能「介護」の課題について解説します。
言葉の壁と文化の違い
特定技能外国人の受け入れにおいて、言葉の壁と文化の違いは大きな課題となります。
介護の現場では、利用者との円滑なコミュニケーションが求められますが、日本語の聞き取りや専門用語の理解が不十分だと、意思疎通に支障をきたすことがあります。
また、利用者の言葉遣いや方言に戸惑うケースや、文化の違いも影響を及ぼします。
日本独自の介護の考え方や「おもてなし」の精神、細やかな気遣いが求められる場面において、価値観の違いから適応に時間がかかることがあります。
こうした課題に対応するためには、日本語教育の強化や、文化理解を深める研修の実施が必要不可欠です。
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業務習得の難しさ
介護業務は単なる身体的なサポートだけでなく、利用者の健康状態の把握や精神的ケア、適切なコミュニケーションなど多岐にわたります。
特定技能「介護」として働く外国人は、日本語試験と介護技能試験に合格しているものの、実際の現場ではより高度な知識と実践的なスキルが求められます。
特に、日本独自の介護技術や接遇マナー、緊急時の対応方法などを習得するには時間がかかり、利用者ごとに異なるケアのニーズに対応するため、柔軟な判断力や経験の積み重ねも必要です。
こうした課題を克服するには、現場でのOJTや継続的な研修、AIやICTを活用した教育サポートの導入が有効です。

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職場環境の整備
特定技能「介護」人材が長く働きやすい環境を整えることは、受け入れ側の重要な課題で、外国人スタッフが安心して業務に従事できるよう、職場内でのサポート体制を強化する必要があります。
例えば、日本の介護現場特有のルールや業務フローをわかりやすく説明し、慣れるまでの期間をサポートすることが求められます。
また、言語面の支援も必要で、多言語対応のマニュアルの整備や、AI翻訳ツールを活用したコミュニケーション環境の整備が有効です。
さらに、文化の違いを理解し合う機会を増やし、職員同士の相互理解を深めるなど、こうした取り組みにより、外国人介護職員が働きやすく、定着率の向上につながります。
特定技能「介護」の課題解決法
特定技能「介護」人材の受け入れが進む一方で、言語の壁や業務習得の難しさ、職場環境の整備といった課題が依然として存在します。
これらの課題を効果的に解決するためには、最新のテクノロジーを活用した対策が欠かせません。
特に、ICTを活用した多言語対応システムの導入や、AIを活用した教育プログラムの整備が有効な手段となります。
これにより、外国人介護職員がスムーズに業務を習得し、利用者との円滑なコミュニケーションを実現することが可能になります。
ここでは、特定技能「介護」の課題解決法について詳しく解説します。
ICTを活用した多言語対応
特定技能外国人が日本の職場で円滑に働くためには、言語の壁を克服することが不可欠ですが、その解決策として、ICT(情報通信技術)を活用した多言語対応が有効です。
昨今はスマートフォンの翻訳アプリや携帯型の音声翻訳機器が発達しており、現場で手軽に多言語コミュニケーションをとることができます。
例えば、会話内容をリアルタイムで翻訳して表示できるチャットツールを活用すれば、日本語で送ったメッセージを同時に外国人職員の母国語に翻訳表示させることも可能です。
このようにICTを活用することで、複雑な連絡事項や申し送りも誤解なく共有しやすくなりますが、翻訳に100%頼りきりになるのは禁物で、翻訳ミスが起こり得ることや、日本語そのものを学ぶ機会を奪わないようバランスに注意する必要があります。
また、多言語対応の電子マニュアルやEラーニングを活用することで、介護業務の基礎知識を母国語で学ぶことができ、業務習得のスピードが向上します。
さらに、音声認識技術を取り入れた通訳機能付きデバイスの活用も、言語の壁を低減し、職場環境の改善に貢献します。
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「介護申し送り翻訳&アシスタント」は、日本語で申し送りを入力するだけで、外国人スタッフが理解しやすい自然な言語に即座に変換されます。
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AIを活用した教育ノウハウ
特定技能外国人の育成には、効率的かつ実践的な教育が求められますが、そこで注目されているのが、AIを活用した教育ノウハウの導入です。
例えば、AI搭載のeラーニングシステムを活用すれば、個々の学習進捗に応じた柔軟なカリキュラムを提供でき、理解度に合わせた指導が可能になります。
具体的には、学習者の解答傾向や進捗データをAIが分析し、苦手な分野を重点的に復習させる問題を出題したり、習熟度に応じて次のコンテンツへ進むスピードを調整したりします。
例えば、日本語の聴き取りが弱い学習者には関連する動画教材を多めに提示する、といった調整が自動で行われ、効率よく知識と技能を身につけられます。
また、AI搭載のバーチャル講師やチャットボットを用いれば、24時間いつでも学習者からの質問に答えたり、ロールプレイ形式で日本語会話の練習相手になったりすることも可能です。
現場で忙しい外国人職員でも、自分の空いた時間にAIが相手をしてくれるオンライン日本語レッスンや介護知識のQ&Aシステムを利用できれば、着実にスキルアップできます。
さらに、ゲーム要素を取り入れたアプリで楽しく継続学習を促すなど、AIの活用により学習モチベーション向上の工夫も広がっています。
これらAI eラーニングプログラムは、地理的制約を超えて学習機会を提供できるため、海外にいる候補者の事前研修にも活用が期待されています。
まとめ
特定技能「介護」は、日本の介護業界における深刻な人材不足を補う制度です。採用には複雑な手順や書類作成が必要ですが、正しく行えばメリットは大きいです。
採用には受け入れ事業所の要件を満たす必要があり、派遣雇用が認められないなどの制約もありますが、多文化共生の促進や助成金の活用など、多くのメリットがあります。
一方で、言葉の壁や業務習得の難しさといった課題も存在しますが、ICTやAIを活用した教育ノウハウを導入することで、円滑な受け入れが可能になります。
当社では、特定技能外国人を受け入れている現場の悩みとしてよく挙げられる、「意思疎通がうまくいかず、ミスや事故が怖い」「教育に手間がかかって現場が疲弊している」「採用しても、すぐ辞めてしまう…」といった課題を解決する「特定技能特化型AIソリューション」を提供しています。
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